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HIVの曝露前予防は何のために?

 前回述べたように、当院で初めてHIVPrEP(曝露前予防)の導入を検討したのは2012年。当初は近畿厚生局から「個人輸入は認めない」と言われたために、希望者にはタイに渡航して現地の医療機関で処方を受けるように助言していた(なにしろ薬代は100分の1なのだ)。しかし、2020年の春頃から「東京には処方できるクリニックがある。谷口医院でもできないか」という問い合わせが急増したこともあり、近畿厚生局からはやはり「NG」と言われたものの、輸入代行業者に依頼することで、2021年1月末、ついに後発品を使ったPrEPを開始することになった。

 特段PRをしたわけでもないのだが、噂を聞きつけた男女からの問合せが増え始めた。以前はPrEPに関する相談者の大半は日本人でも外国人でも「パートナーがHIV陽性」だったのだが、当院が独自に後発品の処方を開始しだすと、そうではない人たちからの問合せが相次ぐようになった。

著者プロフィール

たにぐち やすし氏●1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。2007年に大阪・梅田に開業。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。労働衛生コンサルタント。

連載の紹介

谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」
患者さんに最も近い立場で医療を行いたい……。それを実現するため医師6年目に資金300万円で開業した谷口氏。「どのような人でも、どのような症状でも受け入れる」をポリシーに過去11年で3万人以上の初診患者を診察した経験を基に、開業医のやりがいや苦労、開業医に求められるミッションを若手医師向けに語ります。

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