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当院でHIV曝露前予防開始までの長い道のり

 12月1日は世界エイズデイ。最近はHIV/AIDS関連のイベントを開催してもさほど盛り上がらないという話も聞くが、それでもメディアが世界のエイズ事情を取り上げるからなのか、一部のSNSユーザーから注目されるからなのか、毎年この時期になるとHIV関連の質問や相談が増える。最近はPrEP(曝露前予防)に関するものが急激に増えている。そして、過去一年間でみてみてもHIV/AIDS関連で当院に最も多くの質問・相談が寄せられたのがPrEPだ。

 HIVのPrEPは、毎日(あるいは性行為の前後のみ)抗HIV薬(通常はテノホビル[TDF]/エムトリシタビン[FTC]、商品名ツルバダを用いる)を内服することによって感染を予防する。だが、PrEPには誤解が目立ち、当院では患者(正確には患者とは呼べないが)が希望しても最終的には処方を見合わせることが多い。患者が望んでいたとしても安易に処方すべきでない事例が少なくないのだ。その理由を示すことが本稿の主目的だが、まずは当院におけるPrEPの歴史を紹介したい。

著者プロフィール

たにぐち やすし氏●1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。2007年に大阪・梅田に開業。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。労働衛生コンサルタント。

連載の紹介

谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」
患者さんに最も近い立場で医療を行いたい……。それを実現するため医師6年目に資金300万円で開業した谷口氏。「どのような人でも、どのような症状でも受け入れる」をポリシーに過去11年で3万人以上の初診患者を診察した経験を基に、開業医のやりがいや苦労、開業医に求められるミッションを若手医師向けに語ります。

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