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サージカルマスクの隙を埋めるダブルマスク法

 前々回のコラム(コロナ感染予防にマスクはサージカルの徹底を)で紹介したように、現在当院では、患者自身のみならず同伴者や、さらにMRや業者など院内に立ち入る全員に対し、サージカルマスク着用を義務付けている。ポリウレタンマスク布マスクで受診した場合は1枚10円でサージカルマスクを購入してもらっている(そのお金は慈善団体に寄付している)。

 しかし、デルタ株の感染力を考えるとこの方法だけでは不十分だと判断し、さらなる試みを実践している。今回は、当院で実施している院内のマスクによる感染予防対策の「次の一歩」を紹介したい。

 しかしその前に、過去に紹介した香港大学の研究をもう一度確認しておきたい。この研究は、インフルエンザウイルスやライノウイルスがマスクをしていても呼気中に漏れるのに対し、コロナウイルスの場合は100%流出しないことを示し、サージカルマスクが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に極めて有効であることを実証した。

 ただし、この研究には限界がある。まず、サンプル数が少なすぎる。次に、誰もが適切にサージカルマスクを着用するとは限らない。「鼻出し」は論外だとしても、マスクの下方や両サイドの皮膚とマスクの間隙から呼気が漏れ、それが感染源となることはあり得るだろう。

 では、お互いがサージカルマスクをしていた場合、ウイルスを含むエアロゾルはどれほど流出するのだろうか。また、それを防ぐにはどうすればいいのだろうか。実はこれを調べた研究は既に存在し、米国疾病対策センター(CDC)のサイトで報告されている。

図1 CDCのサイトに掲載されているポスター

著者プロフィール

たにぐち やすし氏●1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。2007年に大阪・梅田に開業。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。労働衛生コンサルタント。

連載の紹介

谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」
患者さんに最も近い立場で医療を行いたい……。それを実現するため医師6年目に資金300万円で開業した谷口氏。「どのような人でも、どのような症状でも受け入れる」をポリシーに過去11年で3万人以上の初診患者を診察した経験を基に、開業医のやりがいや苦労、開業医に求められるミッションを若手医師向けに語ります。

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