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コロナ予防接種に便乗した悪徳診療を許すな!

 当院ではコロナワクチン接種を実施していない。2月に保健所から実施の有無を尋ねられたときは「せざるを得ない」と考えていたが、集団接種が行われることを知って直ちに取りやめた。ただしこれでは無責任だから、代わりに当院の休診日に集団接種会場での接種に参加している。

 当院での実施を取りやめた理由は2つ。1つは、現在の業務でも既に手いっぱいであり、これ以上の時間の確保が簡単でないこと。もう1つは接種直後のアナフィラキシー症状に医師1人では対応が困難なことだ。医師は僕だけでも看護師が常に3人いるので、対処できなくはないが、その後の外来業務に大きな影響が出ることを考えると、そのようなリスクはできれば取りたくない。

 「発熱外来」を続け、コロナ後遺症を疑う患者を診察し、そしてもちろん通常の外来もある。コロナ禍で受診者数が減ったのは事実だが、その減った分の大半は電話再診に代わっただけだから、結局のところ、忙しさはコロナ流行前よりも増している。メール相談の件数も一向に減らず、最近の相談は半数以上がコロナワクチンに関するものだ。

 個人的には、コロナワクチンは診療所/クリニックでなく、可能な限り集団接種で行うべきだと考えているが(ちなみに、PCR検査も公的な大きな会場をつくるべきだと考えている)、「いつも診てもらっている先生にワクチンを打ってもらいたい」と考えている患者もそれなりに多く(「集団会場に行ってください」と言うと大勢の患者から叱られた)、コロナワクチンを担っている診療所には頭が下がる思いだ。

 だが、最近「診療所のコロナワクチン」に関するクレームが目立つ。まずは、最近知人(40歳代女性)から届いたメールを紹介しよう(プライバシー確保のため一部改変している)。

著者プロフィール

たにぐち やすし氏●1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。2007年に大阪・梅田に開業。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。労働衛生コンサルタント。

連載の紹介

谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」
患者さんに最も近い立場で医療を行いたい……。それを実現するため医師6年目に資金300万円で開業した谷口氏。「どのような人でも、どのような症状でも受け入れる」をポリシーに過去11年で3万人以上の初診患者を診察した経験を基に、開業医のやりがいや苦労、開業医に求められるミッションを若手医師向けに語ります。

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