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ワクチンは打てば打つほど受診が増える!?米国発の論文に思うこと

 最近、ある知人(日本人女性)から「ワクチンが危険だとするこの論文をどう思うか」と尋ねられた。掲載されている医学誌は「 International Journal of Environmental Research and Public Health」。タイトルは「Relative Incidence of Office Visits and Cumulative Rates of Billed Diagnoses Along the Axis of Vaccination」。要するに「ワクチン接種と接種後の外来受診の関係」を疫学的に調査した研究なのだろう。

 著者はPaul Thomasという小児科医。ワクチンに関する一般向けの書籍も出版しているようで、Amazonの著者紹介によると、2004年に雑誌「Ladies’Home Journal」に米国でトップの家庭医に選ばれ、2006年、2009年、2012年、2014年には医師検索サイト「Castle Connolly」で、米国でトップの小児科医に選ばれている。

 早速この論文を読んでみた。主旨を一言でいえば、「ワクチンは打てば打つほどさまざまな疾患のリスクが増え、そのため外来受診が増える」となり、それを一目瞭然のグラフで表しており、これらグラフのインパクトはかなり大きい。

 では順に紹介していこう。まずはクリニックに通う小児がどれくらいの数のワクチンを接種しているかを示したのが図1だ。

図1 患者コホートにおけるワクチン接種の状況
(出典:doi: 10.3390/ijerph17228674、図2、3も)

著者プロフィール

たにぐち やすし氏●1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。2007年に大阪・梅田に開業。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。労働衛生コンサルタント。

連載の紹介

谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」
患者さんに最も近い立場で医療を行いたい……。それを実現するため医師6年目に資金300万円で開業した谷口氏。「どのような人でも、どのような症状でも受け入れる」をポリシーに過去11年で3万人以上の初診患者を診察した経験を基に、開業医のやりがいや苦労、開業医に求められるミッションを若手医師向けに語ります。

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