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「24時間接種」でワクチンギャップを埋めろ!

 「何年もかかるんやったらワクチンもう諦めるわ」

 数日前にある友人(50歳代男性)から言われたのがこのセリフ。一瞬、本連載の前回のコラムを読んだのかと思ったがこの友人は医療者じゃないから本サイトは閲覧できないはずだし、そもそも長い文章を読むタイプではない。友人によると、世間では「医療者も高齢者もワクチン接種が進んでいない。それ以外の者が打てるのははるか先」といううわさが流れているらしい。さらに「そのうちにワクチンが効かない変異型がはやるから今のワクチンは無意味」という説も流布しているとか……。

 本日、営業終了まで全席予約で埋まっています。

 これは当院からすぐ近くにある居酒屋に数日前に貼ってあった張り紙。帰宅時にはこの店の前を通ることが多く、ガラス張りになっているためについつい中の様子に目がいってしまう。この店、「朝まで営業」がウリで、しかもコロナ流行後一度も自粛をしていない。そして、連日連夜満員なのだ。立ち止まってジロジロ見るわけにはいかないが何げないしぐさを装って中をのぞくと恐らく20歳代と思われる若者たちが大騒ぎしていた。ちなみに「朝まで営業」という掲示をしている飲食店は当院の半径100メートル以内にあと2軒あり、そのような張り紙はないけれども時間短縮をしていない店は小さい店舗も含めれば少なく見積もっても10軒以上はある。

 最初に紹介した友人が50歳代の代表、自粛しない飲食店を利用するのが20歳代の代表、というわけでもないが、それぞれの世代の典型例の一つではないだろうか。つまり、50歳代は「感染するのは怖いが、ワクチンは打ちたくても打てない」という諦めの域に達し、20歳代は「感染してもたいしたことのないウイルスを恐れるのはばかげている」と考えているのだ。では、高齢者はどうだろう。ワクチン接種は近日可能と報道されている。若者や中年よりも早く打てるのは間違いない高齢者の本音はどのようなものなのだろう。



著者プロフィール

たにぐち やすし氏●1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。2007年に大阪・梅田に開業。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。労働衛生コンサルタント。

連載の紹介

谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」
患者さんに最も近い立場で医療を行いたい……。それを実現するため医師6年目に資金300万円で開業した谷口氏。「どのような人でも、どのような症状でも受け入れる」をポリシーに過去11年で3万人以上の初診患者を診察した経験を基に、開業医のやりがいや苦労、開業医に求められるミッションを若手医師向けに語ります。

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