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医療者に必須な「医療マインド」は培えるか

 過去のコラム(2020年を振り返り、新興感染症への謙虚さ不足を反省)で、年に一度は個人のミッションステイトメントの見直しをしているという話をした。ミッションステイトメントは個人だけでなく組織にも必要と考えているため、14年前の当院開業時、オープンの1週間前にスタッフ全員が集まり丸一日かけてミッションステイトメントを作成した。

 まずは「ミッションステイトメントとは何か」という話を始め、全員が自身の考えを述べ他のメンバーの意見を聞いた。他者の意見にコメントするときには「自分が発言する前に相手の考えを理解する」ことをルールにした。その日の終わりには「ミッションステイトメントを共有することができれば、組織と個人の役割が明確になり、どんな困難に遭遇しても立ち向かっていける」と全員が確信できるようになった。参加したのは開院時のスタッフ全員。午前診のみ勤務のパートの看護師も、雑用を引き受けてくれる高齢のアルバイトの人も含めて文字通りの全員だ。

 それ以降、毎年1月の最初の出勤日はスタッフ全員に出勤してもらい、ミッションステイトメントの見直しに時間を費やしている。この時間に過去1年間の反省を行い、そして我々の役割や目標をスタッフ全員で再検討し、翌日から再開する診療の心構えをするのだ。ちなみに、例年ならこの日の夜は新年会となるのだが、今年は「自粛」となった。

 ミッションステイトメントの見直し作業は、現在7条からなる「ミッション」のそれぞれの一字一句を全員がしっかりと噛み締めて、このミッションを続けるか、変更あるいは追加すべきことがないかを考える。今回は当院のミッションステイトメントの第2条「『医療マインド』を持ち、主体性を発揮し率先して行動する」を紹介したい。

著者プロフィール

たにぐち やすし氏●1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。2007年に大阪・梅田に開業。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。労働衛生コンサルタント。

連載の紹介

谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」
患者さんに最も近い立場で医療を行いたい……。それを実現するため医師6年目に資金300万円で開業した谷口氏。「どのような人でも、どのような症状でも受け入れる」をポリシーに過去11年で3万人以上の初診患者を診察した経験を基に、開業医のやりがいや苦労、開業医に求められるミッションを若手医師向けに語ります。

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