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新型コロナ、大事な情報が全国規模で錯綜中!?

2020/10/23
谷口 恭(太融寺町谷口医院)

 自分の情報収集能力のなさを恥じた。

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCRや抗原検査が保険診療で実施できるようになったことを僕はつい最近まで知らなかった。そして、知らなかったことで何人かの患者に不利益を与えてしまったのだ。

 最近、ある先生から「大阪でもSARS-CoV-2のPCRや抗原検査が保険でできるようになったらしい」と聞いた。これは僕が聞いていた話と違う。僕が最初に「当院でPCRをさせてもらえないか」と保健所に相談したのは5月中旬。このとき意外にもあっさりと「OK」と返事をもらった。ただし「保健所との行政契約が必要で、その契約が完了するまでは公費の検査も保健診療の検査もできない」と言われた。しかし「早急に契約できるよう努める」とのこと。これで、保健所に電話しても検査を断られたという患者(当時はかなり多かったし、今も皆無ではない)の力になることができる。そのときはそう思った。

 しかしいくら待っても保健所から連絡がこない。たまりかねて何度も「まだでしょうか」と問い合わせるのだが、いつも「もう少し待ってください」という返答ばかり。10月になれば医師会に加入している診療所は集団契約が行われると聞いていたのだが、現時点では進んでいない様子だ。

 そんなとき「保険でできるようになった」という情報を聞いたものだから慌てて支払基金に電話で尋ねてみた。その答えは「しばらく前からできるようになってますよ」とのこと。以前は僕が保健所から聞いていたように、行政契約をしない限り保険診療の検査もできなかったのだが、その後、規則が改訂されたらしい。

 しかも、「保険診療で(公費を使わずに3割は自己負担で)検査をしている医療機関がある」と言う。あれれ、検査料と判断料の自己負担分は公費からまかなわれるはずだろう。なんだか支払基金まで混乱していないか。

著者プロフィール

たにぐち やすし氏●1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。2007年に大阪・梅田に開業。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。労働衛生コンサルタント。

連載の紹介

谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」
患者さんに最も近い立場で医療を行いたい……。それを実現するため医師6年目に資金300万円で開業した谷口氏。「どのような人でも、どのような症状でも受け入れる」をポリシーに過去11年で3万人以上の初診患者を診察した経験を基に、開業医のやりがいや苦労、開業医に求められるミッションを若手医師向けに語ります。

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