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HIV抗体検査、苦労しつつもやめない僕の胸の内

2020/09/08
谷口 恭(太融寺町谷口医院)

 過去のコラムで述べたように、当院が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査を実施しだしたのは、保健所に直接交渉しても断られることが多く、また「陰性証明がないとインドネシアで生き別れた夫に会えない」という訴えを聞いたことがきっかけだ。当院でPCRが保険診療で実施できるよう保健所の医師に直接交渉したのが5月半ば。意外にもすんなりと「OK」と言われ、保健所との契約手続きをすぐに始めることになったのだが、(ここに書けないようなことも含めて)なにやらいろいろと問題があるようで、実はいまだに手続きが始まっていない。結局、それから4カ月近くがたつ現在も自費診療でしか行えていない。

 海外渡航者からの要望には自費で検査をしているが「これが医療機関ですべき仕事なのか?」という葛藤と日々闘っているのが現状だ。私見を述べていいのなら「海外渡航者のPCRは外務省の管轄とし、空港内もしくは空港の近くでおこなうべきだ」と思う。現在海外からの帰国者及び来日外国人は空港内で抗原検査が実施されているのだから、出国者も、例えば「フライトの12時間前に空港内の検査場でPCR(あるいは抗原検査)をする」という方法を提唱したい。

 さて、今回取り上げたいのはSARS-CoV-2ではなくHIVだ。症状からHIVを疑うときの検査ではなく、「無症状だが心配だから検査を受けたい」というケースである。

著者プロフィール

たにぐち やすし氏●1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。2007年に大阪・梅田に開業。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。労働衛生コンサルタント。

連載の紹介

谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」
患者さんに最も近い立場で医療を行いたい……。それを実現するため医師6年目に資金300万円で開業した谷口氏。「どのような人でも、どのような症状でも受け入れる」をポリシーに過去11年で3万人以上の初診患者を診察した経験を基に、開業医のやりがいや苦労、開業医に求められるミッションを若手医師向けに語ります。

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