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日本人がタイでHIVの治療を受けるという選択

2019/09/27
谷口 恭(太融寺町谷口医院)

 前回のコラムでも述べたように、僕がタイのHIVに関わりだしたのは研修医1年目の夏休みに訪れたエイズホスピスがきっかけで、その後継続して支援を行い、患者を支援するNPOも立ち上げた。すると、そのウェブサイトを通してタイ在住の日本人から健康上の相談を受けるようになった。また、太融寺町谷口医院の患者から「今度タイに行くことになって……」という相談も頻繁にある。

 日本人がどのような基準でタイの医療機関を選ぶかはケースによって様々であり、最近は選択肢が随分と増えてきている。英語もタイ語も自信がない、という日本人の場合、以前なら高額になるのを覚悟して外国人用の「豪華病院」を受診するしかなかった。日本人もしくはタイ人の通訳がいるからだ。豪華病院で高額といっても旅行保険が使える。だが、個別の事例を聞いてみると、全額に保険が認められなかった、救急車は実費だった、という話もある。

 バンコクで発行されている日本人向けのフリーペーパーに「日本人が運営しているクリニック」の広告が目立つようになってきた。さらに今年(2019年)は、日本の大手病院系列のクリニックがバンコクに誕生したという話を聞いた。そこで、2019年8月のタイ渡航時にそれらのクリニックを訪問し話を聞いてきた。今回のコラムは前回の「タイ渡航記」の続編である。

著者プロフィール

たにぐち やすし氏●1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。2007年に大阪・梅田に開業。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。労働衛生コンサルタント。

連載の紹介

谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」
患者さんに最も近い立場で医療を行いたい……。それを実現するため医師6年目に資金300万円で開業した谷口氏。「どのような人でも、どのような症状でも受け入れる」をポリシーに過去11年で3万人以上の初診患者を診察した経験を基に、開業医のやりがいや苦労、開業医に求められるミッションを若手医師向けに語ります。

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