しまった! 完全にクレームモードに入ってしまった……。

 この患者への説明が難渋することを初めから見抜いていた僕は、なぜ抗菌薬が要らないのかを理解してもらうために慎重に言葉を選んでいたつもりだった。声の大きさや抑揚にも気を付け、ゆっくりと丁寧な言葉で話すことで理解を得ようと努めた。だが、ここまでくれば何をしても無駄だ。30歳代前半のその女性の目は吊り上がり、間髪言わせずに暴言を吐き出した。「前の先生は抗生剤を出してくれた」「抗生剤で治ることが私には分かる」「病院長に伝えるから」など、こういう言葉が出てくればまともな診療はもはや続けられない。

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