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第2回
「外国人診療=ややこしい」は大きな誤解

2018/08/10
谷口 恭(太融寺町谷口医院)

写真1 「第1回 関西の外国人医療を考える会」のディスカッション風景 右から、谷口恭、医師の白野倫徳氏、市民団体の青木理恵子氏、看護師の堀成美氏、医師の木戸友幸氏。

 記念すべき、と言っていいのかどうか分からないが、2018年7月29日、「第1回関西の外国人医療を考える会」を開いた。僕が開業して11年半、外国人がスムーズに医療を受けられるようにしなければ、とずっと思い続けてきてようやく踏み出した小さなステップだ。

 といっても何年にもわたり周到な計画を立てていたわけでは全くなくて、きっかけはほんのひと月前。津で開催された日本プライマリ・ケア連合学会での外国人医療のセッションだった。僕はスピーカーではなく、気軽な気持ちで参加した聴衆の1人に過ぎなかったが、いろんな演者の話を聞いているうちに長年の鬱屈した気持ちが抑えられなくなり、質問の時間に真っ先に手を挙げてみんなの前で「大阪の外国人医療がひどいんです!」と主張したのが始まりだった。

 その後とんとん拍子に話が進み、1カ月後にはこの会が開けたわけで協力してくれた皆さまには感謝申し上げたい。さらに、直近の案内だったのにもかかわらず大勢の方に参加いただき、中には台風にもかかわらず東京からいらしてくれた方もいた。嬉しいと同時に、外国人医療には様々な問題、しかも小さくない問題があることを改めて痛感した(写真1)。

 さて、外国人医療に問題があり、それを解決しなければならないと思っている人たちが大勢いるのにもかかわらず、事態が進展しないのはなぜか。今回の会で改めて思ったのが、一言で「外国人医療」といってもその内容は実に様々、というかそれぞれが「異次元の問題」とも呼べるほど多様で、人によって全く見ているものが異なるということだ。例えば、次の3つの事例を比べていただきたい。

著者プロフィール

たにぐち やすし氏●1991年関西学院大学社会学部卒。商社勤務を経て、2002年大阪市立大学医学部卒。研修医終了後、タイのエイズ施設でのボランティアを経て大阪市立大学医学部総合診療センター所属となり、現在も同大非常勤講師。2007年に大阪・梅田に開業。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。労働衛生コンサルタント。

連載の紹介

谷口恭の「梅田のGPがどうしても伝えたいこと」
患者さんに最も近い立場で医療を行いたい……。それを実現するため医師6年目に資金300万円で開業した谷口氏。「どのような人でも、どのような症状でも受け入れる」をポリシーに過去11年で3万人以上の初診患者を診察した経験を基に、開業医のやりがいや苦労、開業医に求められるミッションを若手医師向けに語ります。

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