女性患者Dさんは、71歳のときに糖尿病と高コレステロール血症、軽症高血圧などがあり受診した。初診時のHbA1c7.4%、総コレステロール254mg/dL、HDLコレステロール51mg/dL、中性脂肪93mg/dL、血圧156/70mmHgだったため、降圧薬とスタチンの併用を開始した。
糖尿病は、HbA1c6.5%未満に食事療法でコントロールできたものの、74歳ごろから労作性狭心症が出現した。Dさんに「血糖も血圧もコントロールでき、コレステロールも下がったのに残念です」と話したところ、Dさんは「やっぱり糖尿病って怖いですね」と答えられた。その後、75歳のときに冠動脈造影で多枝病変が確認され、冠動脈バイパス術を受け、81歳になる現在も通院を続けている。
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著者プロフィール
田中裕幸(ニコークリニック理事長)●たなか ひろゆき氏。1978年長崎大卒。久留米大第三内科、大牟田市立病院(現大牟田総合病院)循環器科医長、春陽会上村病院循環器科医長を経て、94年に開業。

連載の紹介
【臨床講座】中高年女性を診る
同じ生活習慣病の中高年患者といっても、男性と女性では様々な違いがあります。循環器疾患におけるリスク因子(高脂血症、高血圧、糖尿病など)の性差を中心に、中高年女性を診察する際のポイントを解説します。
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