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リフィル処方解禁を前に整理しておきたい問題

2022/01/17
田邉昇(弁護医師、中村・平井・田邉法律事務所)

 リフィルといえばシステム手帳を思い出す先生方もいるかもしれないが、2022年度診療報酬改定で解禁されるリフィル処方箋が今回のテーマである。スマホ時代の今、システム手帳は少数派になっていそうだが、処方箋は今でも紙だし、薬局に調剤内容を事前に指示する場合もファクスで行っているところが多いだろう。

 ワクチン接種歴などはうまく一元管理されていたように思うが、健康保険証をマイナンバーカードにひも付けることに抵抗する勢力も強く、公衆衛生上のビッグデータが本格的に使われるようになるのはまだ先の話のようだ。人権の中で、憲法に明記されていない自己決定権だとか(ワクチン接種の諾否にかかわる)、個人情報に関しては異様に解釈が肥大しており、「円滑な」公衆衛生行政の阻害要因になっている。一方で、刑事司法に関しては冤罪(えんざい)事件が後を絶たず、日本国憲法がその10分の1を割いて掣肘(せいちゅう)を試みる刑事手続きについても人権感覚が依然薄いままだ。どうも中途半端な国である。

 さて、リフィル処方箋の話に戻るが、処方箋の発行というのは医師法第20条で以下のように決められている。

著者プロフィール

たなべ のぼる氏〇 1984年に名古屋大卒。都立駒込病院に勤務し、名古屋大学大学院で血液内科学を専攻する傍ら、救急医療、臨床腫瘍学などにも従事。旧厚生省などでの勤務を経て2001年に弁護士登録。診療を行う傍ら、医師の視点で弁護士として、非常勤裁判官として、医療訴訟を中心に多くの事件を担当。中村・平井・田邉法律事務所に所属。

連載の紹介

弁護医師・田邉昇の『医と法の視点』
話題の医療・医学に関連したニュースを、臨床医(総合内科専門医・血液専門医)でもあり、旧厚生省の勤務経験を持つ田邉昇氏が、法律家の立場で易しく解説します。

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