本連載ではこれまで、HbA1cを中心とした診断的項目について解説してきました。今回から糖尿病の治療に関する数理糖尿病学を展開していきたいと思います。現在の医学では、糖尿病そのものは治療できないため、食事療法、運動療法、薬物療法を用いて血糖値をできる限り正常近くに維持し、高血糖に伴う合併症の発症・進展を抑制することを目的としています。近年は、多数の薬剤が開発され、より良好な血糖管理が可能になりましたが、その一方で、選択肢が増えた分だけ、どの治療法が最善かを判定するのが難しくなってきました。
新規に会員登録する
会員登録すると、記事全文がお読みいただけるようになるほか、ポイントプログラムにもご参加いただけます。
著者プロフィール
1967年東京大学工学部卒業、72年同大学院修了、72年~77年富士通研究所に勤務後、77年大阪大学医学部に編入。81年同卒業後、大阪大学老年科を経て1990年から明舞中央病院、2009年同院長。HbA1c、グリコアルブミンを中心に数学的手法を用いた糖尿病の臨床研究を展開。

連載の紹介
田原保宏の「数理糖尿病学」
HbA1cに関する多くの問題について数学的研究を進めたことから田原氏が創成したのが「数理糖尿病学」です。糖尿病に関するさまざまな課題を数理糖尿病学で解くとどうなるか、詳しく解説していきます。
この連載のバックナンバー
-
2022/06/30
-
2022/02/22
-
2022/01/20
-
2021/12/02
-
2021/10/28