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CGMを用いてHbA1cとGAの個人差を定量する

2021/03/22
田原保宏(明舞中央病院糖尿病内科)

 糖尿病患者の血糖コントロールを判定する最善の指標はHbA1cとされています。DCCTを初めとする過去の主要な臨床試験は全てHbA1cをマーカーとして、糖尿病の病態や治療法の有効性を判定してきました。しかし、研究が進むとともに、HbA1cは誰でも同じように平均血糖に比例するわけではなく、合併疾患や個人差によりその値が大きく変化することが分かってきました。HbA1cには大きな個人差があるため、HbA1cをターゲットとして臨床試験を行うと、症例によっては過剰な血糖コントロールになったり、逆にコントロール不足になったりする可能性があることが判明しました。HbA1cの欠点を補完する目的でグリコアルブミンが開発されましたが、グリコアルブミンにも大きな個人差があります。このため、HbA1cもグリコアルブミンもともにgold standardにはなり得ないことが明らかになりました。

著者プロフィール

1967年東京大学工学部卒業、72年同大学院修了、72年~77年富士通研究所に勤務後、77年大阪大学医学部に編入。81年同卒業後、大阪大学老年科を経て1990年から明舞中央病院、2009年同院長。HbA1c、グリコアルブミンを中心に数学的手法を用いた糖尿病の臨床研究を展開。

連載の紹介

田原保宏の「数理糖尿病学」
HbA1cに関する多くの問題について数学的研究を進めたことから田原氏が創成したのが「数理糖尿病学」です。糖尿病に関するさまざまな課題を数理糖尿病学で解くとどうなるか、詳しく解説していきます。

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