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HbA1cと血糖値の関係

2020/06/24
田原保宏(明舞中央病院糖尿病内科)

 HbA1cは先行期間の平均血糖を反映する指標です。従って、HbA1cを見れば先行期間の平均血糖が分かり、逆に、平均血糖が分かればHbA1cが分かるはずです。このようなHbA1cと血糖の関係は当然のことであり、両者の関係はきちんと確定しているはずだと思われるでしょう。ところが、実際には、こんな基本的なことがいまだきちんと決まっていません。

 HbA1cと血糖の関係を正確に決定できない最大の理由は、多数例の血糖を長期にわたって詳細に測定することが困難だったからです。糖尿病の診療では、SMBG(Self-Monitoring of Blood Glucose)を用いて血糖管理を行いますが、SMBGでは毎日の細かな血糖変化をきちんと把握することは不可能です。最近になり、CGM(Continuous Glucose Monitoring)が発展してきましたので、やっと長期の血糖を詳しく調べることが可能になってきました。しかし、現在のCGM機器ではまだ精度が十分とは言えません。本章では、HbA1cと平均血糖の関係に関する主要な報告を読み、両者の関係がどのようになっているかを振り返ってみましょう。

著者プロフィール

1967年東京大学工学部卒業、72年同大学院修了、72年~77年富士通研究所に勤務後、77年大阪大学医学部に編入。81年同卒業後、大阪大学老年科を経て1990年から明舞中央病院、2009年同院長。HbA1c、グリコアルブミンを中心に数学的手法を用いた糖尿病の臨床研究を展開。

連載の紹介

田原保宏の「数理糖尿病学」
HbA1cに関する多くの問題について数学的研究を進めたことから田原氏が創成したのが「数理糖尿病学」です。糖尿病に関するさまざまな課題を数理糖尿病学で解くとどうなるか、詳しく解説していきます。

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