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HbA1cの動きを読む

2020/06/01
田原保宏(明舞中央病院糖尿病内科)

 今回の数理糖尿病学のテーマは「HbA1cの動きを読む」です。これまで「HbA1cはいつの血糖を表すか?」について解説してきましたが、この考え方はHbA1cから過去の血糖の良否を判定するという考え方です。もちろん、過去の血糖の良否が分かれば、これまでの治療の良否が分かり、よりよい治療法に切り替えていくことができます。これはHbA1cの静的な読み方です。これに対し、今回のテーマはHbA1cの動きから未来のHbA1c値を読む方法で、HbA1cの動的な読み方です。HbA1cの動的な読み方ができれば、血糖コントロール状態の変化をより詳しく読むことができます。

 HbA1cの動きを読むためには、HbA1cを毎月測定することが必要です。今、いずこの糖尿病外来も患者さんが溢れ、コントロールの良好な患者さんは2~3カ月に1回の検査になっています。このようなコントロールの良好な患者さんは今回のテーマの対象ではありません。今回のテーマの対象者は、コントロールが安定せず、毎月の検査が欠かせない患者さんです。

著者プロフィール

1967年東京大学工学部卒業、72年同大学院修了、72年~77年富士通研究所に勤務後、77年大阪大学医学部に編入。81年同卒業後、大阪大学老年科を経て1990年から明舞中央病院、2009年同院長。HbA1c、グリコアルブミンを中心に数学的手法を用いた糖尿病の臨床研究を展開。

連載の紹介

田原保宏の「数理糖尿病学」
HbA1cに関する多くの問題について数学的研究を進めたことから田原氏が創成したのが「数理糖尿病学」です。糖尿病に関するさまざまな課題を数理糖尿病学で解くとどうなるか、詳しく解説していきます。

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