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HbA1cはいつの血糖を表すか?

2020/03/26
田原保宏(明舞中央病院糖尿病内科)

はじめに

 「数理糖尿病学」の最初のテーマは、「HbA1cはいつの血糖を表すか?」という問題です。

 HbA1cが糖尿病患者さんの血糖コントロール指標として極めて有用であることを最初に示したのはDCCT研究1)でした。この研究の発表以後、HbA1cは糖尿病の臨床における最も重要な検査の1つとなり、糖尿病患者さんにおける血糖コントロール目標はHbA1c<7%というのが世界的コンセンサスとなりました。しかし、最も基本的な「HbA1cはいつの血糖を表すか?」ということについては正確に分かっていませんでした。この問題は糖尿病の臨床にとって重要なだけでなく、「数理糖尿病学」にとってその創造と発展における最大の要因となりました2)。今回は、この問題に関する答えだけでなく、数理糖尿病学的な考え方や解析の手法についても詳しく説明します。

著者プロフィール

1967年東京大学工学部卒業、72年同大学院修了、72年~77年富士通研究所に勤務後、77年大阪大学医学部に編入。81年同卒業後、大阪大学老年科を経て1990年から明舞中央病院、2009年同院長。HbA1c、グリコアルブミンを中心に数学的手法を用いた糖尿病の臨床研究を展開。

連載の紹介

田原保宏の「数理糖尿病学」
HbA1cに関する多くの問題について数学的研究を進めたことから田原氏が創成したのが「数理糖尿病学」です。糖尿病に関するさまざまな課題を数理糖尿病学で解くとどうなるか、詳しく解説していきます。

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