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【第7回】
糖尿病はHbA1c7%、高血圧は140/90、ではRAの治療目標は?

2010/08/26
岸本暢将、田巻弘道、岡田正人(聖路加国際病院アレルギー膠原病科〔成人、小児〕)

研修医 先生、先日の欧州リウマチ学会はいかがでした?

指導医 お留守番ありがとう。第1回でお話した2010年関節リウマチRA)基準の最終版が米国および欧州リウマチ学会誌に受理され、9月号辺りに発表されるようです。内容はお伝えした通りですが、タイトルが“診断基準”ではなく20年前のRA基準と同様“分類基準”になったことには驚きました。結局、RAは診断基準を持たず、われわれ臨床医の判断で診断を付けるということで、以前と変わらないようです。ところで金曜日の外来はどうでした?

研修医 そのことでご相談しようと思っていたんです。3カ月前に手指の多関節炎を発症した47歳の女性患者さんですが、先日ご指導いただいたように、抗リウマチ薬開始前にHBs抗原、HCV抗体、抗核抗体を測定し、すべて陰性、抗CCP抗体が低値陽性という結果を得て、RAと診断を確定しました。

指導医 病歴・検査からウイルス性関節炎やSLEなど他疾患を除外し、RAと診断した患者さんですね。

研修医 はい。一般血液検査では特に異常なく、早速経口の抗リウマチ薬を開始しました。痛みも強かったのでプレドニゾロン5mg/日も併用したのですが、その効果か、金曜日の外来で評価した2週間後の副作用チェックでは、痛みはPain VAS(visual analogue scale)で70mmから30mmへとかなり改善しています。

指導医 いい感じですね。ところでRAの治療開始前に行うべき2つの重要な評価ポイントを覚えていますか?

研修医 RAの予後不良因子(表1)の評価でしょうか。

指導医 そうです。RA患者さんの骨破壊の進行は、約20~30%では緩徐ですが、約70%、つまりほとんどの患者さんは放置しておくとどんどん進行していくタイプです。表1に示す予後不良因子があると、進行が早いタイプである可能性が強くなりますので、積極的な治療を行う指標になります。

著者プロフィール

本連載は、聖路加国際病院アレルギー膠原病科の岸本暢将(きしもと みつまさ)氏、田巻弘道(たまき ひろみち)氏、岡田正人(おかだ まさと)氏らが中心となり執筆します。

連載の紹介

【臨床講座】非専門医のためのリウマチ・アレルギー診療Update
リウマチ膠原病・アレルギー領域は、新しい治療法の開発が盛んで、診断基準も見直されるなど、目まぐるしく変化しています。この領域の診断法、治療法を、最新の話題を交えながら分かりやすくお伝えします。

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