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【第6回】
かゆいのに抗ヒスタミン薬が効かないんです

2010/07/29
岡田正人、田巻弘道、岸本暢将(聖路加国際病院アレルギー膠原病科〔成人、小児〕)

研修医 先生、私の家族のことでちょっとお聞きしてもいいですか。

指導医 もちろんです。どうしましたか。

研修医 実はうちの妻が、一昨日にエビを食べてから皮疹が出て、かゆみを訴えまして。抗ヒスタミン薬を飲ませたんですが、全然よくならないんです。

指導医 もともとアレルギー体質なの?

研修医 いいえ。幼少時にアトピー性皮膚炎などの既往もなく、両親や兄弟にもアレルギーはないそうです。これまではエビを食べても大丈夫だったのですが。

指導医 アレルギー疾患の既往歴も家族歴もない20代後半の女性で、初めてアレルギー反応ということですか。

研修医 はい。私もちょっとおかしいと思ったんですけど、シーフードのアレルギーは大人になってから出ることが多いと先週のレクチャーで習ったので、この場合もそうなのかなあと。

指導医 アレルギーの患者さんを見たときの鑑別の手順を覚えていますか。

研修医 えっと、まずは、I型アレルギーかどうかを鑑別します。

指導医 そうですね。I型アレルギーと非I型アレルギーを鑑別するための病歴は何ですか。

研修医 I型は即時型ですから、発症までの時間が早いです。

指導医 そうですね。I型アレルギーは肥満細胞の上のIgEに抗原が乗ることでヒスタミンが放出されます。ヒスタミンは細胞内の顆粒にすぐに使える形で貯蔵されていますから、抗原が肥満細胞を刺激するとすぐに顆粒の中のヒスタミンが出て、数分で症状が出ますね。肥満細胞を顕微鏡で見ると、たくさん顆粒を持ってぶくぶく太って見えます。この形状から、肥満細胞と呼ばれるのかもしれません。

研修医 でも、同じ肥満細胞からのヒスタミン放出などによる反応でも、鼻炎だったり、蕁麻疹だったりと全然違う症状が出るのはどうしてですか。

指導医 同じですよ。蕁麻疹ってどういう皮疹ですか。

研修医 ピンク色で盛り上がった皮疹(膨疹)です。

指導医 そうですね。どうしてそう見えると思いますか。

研修医 ヒスタミンの作用ですか。

著者プロフィール

本連載は、聖路加国際病院アレルギー膠原病科の岸本暢将(きしもと みつまさ)氏、田巻弘道(たまき ひろみち)氏、岡田正人(おかだ まさと)氏らが中心となり執筆します。

連載の紹介

【臨床講座】非専門医のためのリウマチ・アレルギー診療Update
リウマチ膠原病・アレルギー領域は、新しい治療法の開発が盛んで、診断基準も見直されるなど、目まぐるしく変化しています。この領域の診断法、治療法を、最新の話題を交えながら分かりやすくお伝えします。

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