造影剤腎症とはヨード造影剤によって引き起こされる急性腎障害のことです。多くの場合は1週間程度で回復しますが、ときとして不可逆的な腎機能障害に至ること、また患者さんの生命予後やQOLに大きく影響するため、造影CTを実施する際は造影剤腎症の発症に注意し、予防に努める必要があります。
近年、造影CTによる造影剤腎症に関する新たな知見が多く報告されており、考え方も大きく変化しています。今回は造影CTによる造影剤腎症の近年の動向について解説したいと思います。
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著者プロフィール
尾田済太郎(熊本大学病院画像診断・治療科 准教授)●おだ せいたろう氏。2004年久留米大卒。熊本大学病院画像診断・治療科、熊本中央病院、米国Washington Hospital Center特別研究員などを経て、2021年より現職。熊本大学病院アミロイドーシス診療センター副センター長を兼務。放射線診断専門医。

連載の紹介
尾田済太郎の「CTの上手な使い方、教えます」
今やCTは一般検査の位置づけとして日常診療に欠くことのできないツールです。技術革新もめまぐるしく、臨床診療におけるCTのプレゼンスは益々高まっています。一方、X線被ばく、造影剤副作用、偶発所見といった問題点への対応についてもしっかりと考えていかなければなりません。本連載では大学病院で放射線科医として日々、診療と研究、教育に取り組む筆者が「CTの上手な使い方」について基本から最新事情まで縦横無尽に語ります。
この連載のバックナンバー
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