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利尿薬は厳禁!難聴と耳鳴りを伴うあの疾患(後編)

2020/05/22
柴田 靖(筑波大学水戸地域医療教育センター)

前回の続き)

すみれ 低髄液圧症候群では、画像上、髄液腔の減少が見られるのですか。

柴田 そうだね。ところで、頭蓋内には何があるかな?

すみれ 脳と髄液です。

柴田 あとは血管内に血液があるね。頭蓋内には脳と髄液と血液があって、この3者の体積で頭蓋内圧が決まる。生理的状態では頭蓋内圧を一定に保つよう、何かが増えると何かが減少する。これをモンロー・ケリー原則 (または仮説)と呼ぶんだ。

すみれ 髄液が減少すると他が増加して、頭蓋内圧を保つのですね。

柴田 そうだね。まず、静脈が拡張して、うっ血する。そうすると造影MRIで硬膜がびまん性に造影され、下垂体も腫脹する。だから、軽度の低髄液圧症候群では造影MRIを撮像した方がいいね。MRIで大脳鎌や小脳テントなど、全ての硬膜がびまん性に造影されて、起立性頭痛の臨床症状があれば低髄液圧症候群と診断できるね。硬膜が造影される疾患は肥厚性硬膜炎や癌の転移など多数あるけれど、低髄液圧症候群ではびまん性で均一に造影されるのが特徴だね。

著者プロフィール

柴田 靖(筑波大学水戸地域医療教育センター/水戸協同病院脳神経外科教授)●しばた やすし氏。1988年筑波大学卒。同大脳神経外科、米ハーバード大ベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンターなどを経て2015年から現職。国際頭痛学会Headache Master。日本脳神経外科学会、日本頭痛学会専門医・指導医。頭痛外来研修医募集中。

連載の紹介

柴田靖の「頭痛外来 研修道場」
「頭痛の患者は多く、どの診療科でもよくみる愁訴ですが、頭痛専門医は少ないのが実情です。頭痛をきちんと診療できれば、診療の幅が広がります。頭痛外来での指導医と研修医の対話を通じて、頭痛診療のスキルとノウハウを楽しく学んでください。

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