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2型糖尿病の合併症、進行のスピードはどう違う?

2011/10/07

 糖尿病は進行をできるだけ抑えて合併症を予防することが大切ですが、治療を根気よく続けるのは難しいとの声も聞きます。実際、生活習慣の改善の取り組みを断念して状態を放置し、合併症を発症してしまう人も少なくないようです。

 そこで今回は、2型糖尿病で受診を始めた患者のその後2年間を追いかけて、糖尿病性合併症がどのくらいの患者に発症し、どの程度のスピードで進行するのかを観察してみました。

 対象にしたのは2005年1月から2011年2月までの間に2型糖尿病で医療機関を初めて受診した患者で、その後23カ月間、存在確認が可能な健康保険組合の加入者5806人(30~59歳の男性・女性)です。過去1年間に2型糖尿病での受診がなかった患者を初受診と定義しているので、1年以上、間を空けて受診した人も初受診に含まれています。初受診した月を1カ月目、翌月を2カ月目とカウントしました(観察期間は23カ月間で、最終観察月は24カ月目となります)。

 初受診の後、レセプトが発生(受診)した月まではその都度、毎月受診していると見なし、実際に通院した月と月の間隔にかかわらず、「受診あり」としています。一方、観察期間内で最後に受診した月の翌月からは「受診なし(=脱落)」としました。従って、例えば、観察期間内の1カ月目と24カ月目の2回のみ通院したケースは、毎月「受診あり」として扱います。数カ月おきに定期的に通院している人や、薬を長期処方されている人、また医師が忘れた頃に再び受診した人など、様々な患者の実態を含めて、合併症の進行度合を見るのがこの調査の目的なので、ご了承ください。24カ月目に受診した患者は1488人でした。

 合併症の出現率を計算する際には、各月の「受診あり」の患者数を母数にしました。前回通院時に合併症を発症していなければ、次に通院した月の前月までの期間も「合併症なし」とカウントしました。また、データ集計上、“脱落”扱いとした患者の中には無症候の方が多く含まれていると考えられるのですが、これらの脱落患者は合併症の出現率を算出する際の母数から除外していますので、合併症の出現率が高めに出ているかもしれない点を付け加えておきます。

 糖尿病性合併症の定義に当たっては、文献(1)を参考に、表1のように分類しました。
1)出典は[北里博仁、ほか:診療報酬明細書(レセプト)データベースから2型糖尿病合併症および大血管症の病期進展と医療費の関係を明らかにするための患者情報を抽出する方法の検討.肥満と糖尿病9:48-63, 2010]

著者プロフィール

木村真也(株式会社日本医療データセンター社長)●きむらしんや氏。1981年京都産業大学卒。大手外資系製薬会社マーケティング部長、CROバイスプレジデントなどを経て、2002年に日本医療データセンターを設立。

連載の紹介

レセプトを読み解く
日本医療データセンター(JMDC)では、複数の大手健康保険組合からのレセプトや健診データを基に、様々な分析を行ってます。1000万件を超える膨大なデータから、同社社長の木村氏が、医療の「今」を探ります。

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