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サラリーマン家庭が夫の退職までに使う医療費は?

2010/10/07

 医療費削減が叫ばれる昨今ですが、個人個人が一生の間に幾らの医療費を使っているのかという情報はあまり見かけないように思います。 保険商品のパンフレットなどには、「癌になると医療費は幾らかかります」といったフレーズが踊っていますが、一生の間に要する金額を目にした記憶はありません。

 これは、家庭全体で必要な医療費についても同様です。家庭を持ち、子どもが生まれれば、配偶者や子どもの医療費も発生します。一般的な家庭が使う医療費は、一体幾らぐらいなのでしょうか?

 そこで今回は、サラリーマン家庭における生涯医療費の推計を試みてみました。ただし、この連載で使用するデータは健保組合のレセプトですので、高齢時の医療費は把握できません。そこで、次のようなシナリオでシミュレーションを進めました。

 「青年A氏は、大卒で企業に就職し、30歳で結婚。お相手は28歳の女性。32歳のときに第1子(男)を授かる。子どもは大卒で就職し、扶養家族ではなくなった。A氏は65歳まで勤務した後、リタイアした」

 このシナリオで、A氏が結婚から65歳で退職するまでに使った医療費を、扶養する配偶者と子どもの分も含めて推計しました。まず、健保組合の被保険者と被扶養者の2009年の年間医療費を年齢・性別に算出し、健康な人も含めた母集団人数で割ることで1人当たりの医療費を出しました。

 今回分析に使用した母集団(52万3182人)の年齢性別の構成は図1のようになっています。この母集団の1人当たり医療費を、年齢別・性別ごとに示したのが図2です。

著者プロフィール

木村真也(株式会社日本医療データセンター社長)●きむらしんや氏。1981年京都産業大学卒。大手外資系製薬会社マーケティング部長、CROバイスプレジデントなどを経て、2002年に日本医療データセンターを設立。

連載の紹介

レセプトを読み解く
日本医療データセンター(JMDC)では、複数の大手健康保険組合からのレセプトや健診データを基に、様々な分析を行ってます。1000万件を超える膨大なデータから、同社社長の木村氏が、医療の「今」を探ります。

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