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吸入指導の思わぬ伏兵(6)
本当に加熱式・電子タバコは吸っていいのか?

2019/02/15

 喘息やCOPDの治療において喫煙は大敵で、薬剤治療の効果を損ねるのみならず、病状をしばしば悪化させます。治療期間中に喫煙を見つけた時には、患者さんに禁煙を積極的に勧め、バレニクリン(商品名チャンピックス)やニコチン置換療法などの禁煙治療も行うように努めています。しかし、残念ながら、患者さんは「吸っていない」と言いながら、吸入指導中にたばこの臭いをプンプン漂わせる方もいて、禁煙へ誘導する難しさを実感しています。

 最近、新型たばこ(加熱式たばこ、電子たばこ)が普及してきました。新型たばこは従来のたばこに比較し、「有害物質を約90%低減」したから、有害性の少なさゆえに、「吸っていてもいいだろう」と主張する患者さんが増えてきている気がします。

 でも本当にそうでしょうか? 吸入指導をしながら、「新型たばこなら吸っても構わないですよ」とは言えず、この種の伏兵に最近苦慮しています。そもそも非喫煙者の私が、この新たな伏兵、新型たばこをよく知らなかったことこそが、モヤモヤ感の原因です。

著者プロフィール

大林浩幸(東濃中央クリニック〔岐阜県瑞浪市〕院長)●おおばやし ひろゆき氏。日本呼吸器学会「COPD診断と治療のためのガイドライン(第4版)、(第5版)」査読委員、日本アレルギー学会「喘息予防・管理ガイドライン(JGL2009、JGL2012、JGL2015、JGL2018)」作成委員。藤田医科大学医学部客員教授、島根大臨床教授。吸入療法アカデミー代表理事。

連載の紹介

プライマリケア医のための喘息・COPD入門
「吸入薬を処方したのに症状が改善しない」という患者さんの多くは、正しい診断に基づいた適切な治療を施すと、とても良くなります。喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診療において、みなさんが陥りやすいピットホールと、的確な診療のポイントをわかりやすく解説します。
この連載を書籍化しました!
『喘息・COPD吸入療法の患者指導に必携!
メカニズムから見る吸入デバイスのピットホール』好評発売中

 このたび、この連載「プライマリケア医のための喘息・COPD入門」を書籍化いたしました。
 2013年6月から開始したこの連載は、気管支喘息やCOPD診療の主役となった吸入デバイスによる吸入療法を指導する上で必要な情報、患者が陥りやすい操作ミスを、具体例とともに紹介しています。
 書籍では、現在利用可能な11の吸入デバイスごとに、合計300枚を超える写真をふんだんに使いながら、患者が陥りやすいピットホール(誤操作)を大林浩幸氏が書き下ろしています。さらに本書では、吸入デバイスの内部メカニズムも解説。デバイスのメカニズムを知り、操作ミスが発生する母地を把握しておくことで、患者の操作ミスを発見しやすくなり、ミスを起こしやすい操作を重点的に指導することも可能になります。
 ぜひ、日々の患者指導にご活用ください。(大林浩幸著、日経BP社、4500円+税)

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