2015年5月に、COPD治療薬で1日2回吸入型の長時間作用性抗コリン薬(LAMA)のアクリジニウム(商品名エクリラ)が発売されました。私たちにとって、治療薬の選択範囲がさらに拡がりました。今回は、エクリラの吸入デバイス、ジェヌエアを使用する上で間違いやすいポイント(ピットホール)を取り上げます。
ジェヌエアは、吸入時に緑ボタンを押すのみで薬剤装填ができる、非常に簡便で優れたデバイスです(写真1、写真2)。具体的には、緑のボタンを押すと1回分の薬剤がセットされ、信号が赤色から緑色に変わります。そして正しく吸入するとカチッという音がして、信号が緑色から赤色に変わります。
しかし、このように簡便なデバイスにも、吸入時に気を付けなければいけないポイントがあり、それに注意しないと、正しい量の薬剤吸入ができなくなる場合があります。
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著者プロフィール
大林浩幸(東濃中央クリニック〔岐阜県瑞浪市〕院長)●おおばやし ひろゆき氏。日本呼吸器学会「COPD診断と治療のためのガイドライン(第4版)、(第5版)」査読委員、日本アレルギー学会「喘息予防・管理ガイドライン(JGL2009、JGL2012、JGL2015、JGL2018)」作成委員。藤田医科大学医学部客員教授、島根大臨床教授。吸入療法アカデミー代表理事。

連載の紹介
『喘息・COPD吸入療法の患者指導に必携!
メカニズムから見る吸入デバイスのピットホール』好評発売中
このたび、この連載「プライマリケア医のための喘息・COPD入門」を書籍化いたしました。
2013年6月から開始したこの連載は、気管支喘息やCOPD診療の主役となった吸入デバイスによる吸入療法を指導する上で必要な情報、患者が陥りやすい操作ミスを、具体例とともに紹介しています。
書籍では、現在利用可能な11の吸入デバイスごとに、合計300枚を超える写真をふんだんに使いながら、患者が陥りやすいピットホール(誤操作)を大林浩幸氏が書き下ろしています。さらに本書では、吸入デバイスの内部メカニズムも解説。デバイスのメカニズムを知り、操作ミスが発生する母地を把握しておくことで、患者の操作ミスを発見しやすくなり、ミスを起こしやすい操作を重点的に指導することも可能になります。
ぜひ、日々の患者指導にご活用ください。(大林浩幸著、日経BP社、4500円+税)
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