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COVID-19時代の外来 かぜ診療
COVID-19を外来で“治療”できるようになった第6波

2022/02/03
岡 秀昭(埼玉医科大学総合医療センター)

 今回は外来や在宅療養での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療のお話をしたいと思います。わが国では第5波の途中まで、軽症COVID-19患者の治療法として確立したものはありませんでした。ファビピラビル、イベルメクチンなども臨床的に使用が妥当と判断できるような質の高い臨床研究結果を欠いており、承認もされていません。

 つまり、5波途中までのCOVID-19外来診療のポイントは、どちらかというと他の疾患の見逃しを避け(筆者はイベルメクチンと抗菌薬が投与されて紹介された患者がHIVのニューモシスチス肺炎だったという症例も経験しています)、COVID-19を早期診断して患者を隔離すること。そして重症化を判断し、適切に入院医療できる病院に紹介する(これが難しくなり医療がひっ迫してしまったのが第5波ですね)ことでした。私たちも軽症者に関しては、治験への参加を除き、イベルメクチンもファビピラビルも使わずに対症療法を行っていました。

 世間やメディアはよく「早期診断、早期治療で安心安全を」などと言っていましたが、そんなことは不可能であり、COVID-19が確定診断された外来症例については、その時点の重症度の判断と、重症化を見抜くことがプライマリ・ケア医の大きな役割だったわけです。

著者プロフィール

岡秀昭(埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科・感染症科教授)●おかひであき氏。2000年日本大学卒。日本大学第一内科で研修後、横浜市立大学、神戸大学、東京高輪病院などを経て、2020年7月より現職。

連載の紹介

岡秀昭の「一般外来で感染症をどう診る?」
「感染症専門医が勧める検査なんかいちいちやってられない」――感染症治療に対して、そんな思いを持っておられませんか? 岡秀昭氏をはじめとした埼玉医大総合医療センター感染症科のメンバーが、プライマリ・ケア医が最低限押さえておくべき感染症診療のポイントを解説します。

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