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外来で診る皮膚軟部組織感染症(3)
蜂窩織炎の治療では「改善しなくても慌てない」

2020/06/12
岡 秀昭(埼玉医科大学総合医療センター)

 前回は蜂窩織炎抗菌薬選択を中心に解説しました。今回は蜂窩織炎の経過の見方について触れたいと思います。

 感染症診療の原則は蜂窩織炎に関しても変わりません。熱や炎症所見だけで判断せず、必ず臓器特異的なパラメーターを熱や炎症所見と合わせて判断してください。

 蜂窩織炎の臓器特異的なパラメーターというのは、当然、皮膚所見になります。熱や炎症の改善がなく、皮膚所見が増悪する場合には「それまでの治療法では効果が乏しい」と判断するのですが、そこも1つ重要なピットフォールがあります。治療を始めて2日間は、抗菌薬が効いていても一見、皮膚所見が悪化して見えることがありますので注意が必要です。ただし、3日間観察すれば、ほとんどの症例で皮膚所見の改善があります1)。故に外来でみる軽症の蜂窩織炎ではバイタルが安定していれば、3日間は観察の期間と考えましょう。もちろん、もし1~2日のうちに皮膚所見のみならず、血圧低下や意識障害が認められるならば、壊死性軟部組織感染症トキシックショック症候群などを疑い、速やかな病院搬送が必要です。

 3日経過しても、いまひとつ皮膚所見が改善しないと感じたならば、いきなり耐性菌を考えて抗菌薬を変えるのではなく、まず以下の3点を考えてみてください。

著者プロフィール

岡秀昭(埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科・感染症科教授)●おかひであき氏。2000年日本大学卒。日本大学第一内科で研修後、横浜市立大学、神戸大学、東京高輪病院などを経て、2020年7月より現職。

連載の紹介

岡秀昭の「一般外来で感染症をどう診る?」
「感染症専門医が勧める検査なんかいちいちやってられない」――感染症治療に対して、そんな思いを持っておられませんか? 岡秀昭氏をはじめとした埼玉医大総合医療センター感染症科のメンバーが、プライマリ・ケア医が最低限押さえておくべき感染症診療のポイントを解説します。

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