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感染性腸炎の問診を「昨夜、生ものを食べませんでしたか?」で終えていませんか?

2019/09/11
岡 秀昭(埼玉医科大学総合医療センター)

 さて、今回は前回に引き続いて、感染性腸炎の治療について考えたいと思います。

 先生方は感染性腸炎を疑った際に、食歴を含めた病歴の聴取をしておられると思います。その際、「昨夜に何か生ものを食べませんでしたか?」というような問診で終えていませんか? 実はこの聞き方ではほとんどの場合、原因は推定できません。厚生労働省の食中毒統計によれば、渡航歴がない場合(下痢の患者では渡航歴を必ず聞いてくださいね!)、カンピロバクターノロウイルスがそれぞれ細菌性とウイルス性の胃腸炎の原因となる微生物の第1位で、この2つで合計件数の6割を占めます。つまり、細菌性であれば、疫学的にはまずカンピロバクターへの感染を考える必要があるのです。

著者プロフィール

岡秀昭(埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科・感染症科教授)●おかひであき氏。2000年日本大学卒。日本大学第一内科で研修後、横浜市立大学、神戸大学、東京高輪病院などを経て、2020年7月より現職。

連載の紹介

岡秀昭の「一般外来で感染症をどう診る?」
「感染症専門医が勧める検査なんかいちいちやってられない」――感染症治療に対して、そんな思いを持っておられませんか? 岡秀昭氏をはじめとした埼玉医大総合医療センター感染症科のメンバーが、プライマリ・ケア医が最低限押さえておくべき感染症診療のポイントを解説します。

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