前回は単純性膀胱炎の診断について紹介しました。今回は治療について考えていきます。単純性膀胱炎の治療のスタンダードは、現在は抗菌薬の投与です。

 「現在は」と強調したのは、近年、膀胱炎の治療に対し、抗菌薬と消炎鎮痛剤NSAIDs)の治療効果を比較した臨床試験が海外で立て続けに報告されているからです1)2)。まだ十分な結論は得られていませんが、後述するように膀胱炎へ処方できる抗菌薬の選択肢が少なくなっている中、今後はNSAIDsのみで治療する方向に向かうのかもしれません。
 さて、膀胱炎患者に抗菌薬を処方する際に、どの薬剤を選択しますか? 「尿路感染、膀胱炎にはクラビットだろ!」という先生がおられましたら、それは残念ながら現在では大きな間違いです。感染症治療のために抗菌薬処方を考える場合、(1)病気を引き起こす微生物に有効、(2)できるだけ狭域、(3)低コストで副作用が少ない――を考えるのが鉄則です。

 では単純性膀胱炎の原因菌は何でしょうか?「それは簡単だ、大腸菌だろう!」。正解です。単純性膀胱炎の75%~95%

「膀胱炎治療にクラビット」は時代遅れの画像

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