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「膀胱炎治療にクラビット」は時代遅れ

2019/03/26
岡 秀昭(埼玉医科大学総合医療センター)
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 前回は単純性膀胱炎の診断について紹介しました。今回は治療について考えていきます。単純性膀胱炎の治療のスタンダードは、現在は抗菌薬の投与です。

 「現在は」と強調したのは、近年、膀胱炎の治療に対し、抗菌薬と消炎鎮痛剤NSAIDs)の治療効果を比較した臨床試験が海外で立て続けに報告されているからです1)2)。まだ十分な結論は得られていませんが、後述するように膀胱炎へ処方できる抗菌薬の選択肢が少なくなっている中、今後はNSAIDsのみで治療する方向に向かうのかもしれません。
 さて、膀胱炎患者に抗菌薬を処方する際に、どの薬剤を選択しますか? 「尿路感染、膀胱炎にはクラビットだろ!」という先生がおられましたら、それは残念ながら現在では大きな間違いです。感染症治療のために抗菌薬処方を考える場合、(1)病気を引き起こす微生物に有効、(2)できるだけ狭域、(3)低コストで副作用が少ない――を考えるのが鉄則です。

 では単純性膀胱炎の原因菌は何でしょうか?「それは簡単だ、大腸菌だろう!」。正解です。単純性膀胱炎の75%~95%

著者プロフィール

岡秀昭(埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科・感染症科准教授)●おかひであき氏。2000年日本大学卒。日本大学第一内科で研修後、横浜市立大学、神戸大学、東京高輪病院などを経て、2017年より現職。

連載の紹介

岡秀昭の「一般外来で感染症をどう診る?」
「感染症専門医が勧める検査なんかいちいちやってられない」――感染症治療に対して、そんな思いを持っておられませんか? 岡秀昭氏をはじめとした埼玉医大総合医療センター感染症科のメンバーが、プライマリ・ケア医が最低限押さえておくべき感染症診療のポイントを解説します。

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