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日経おとなのOFF presents 医師の絶対教養 美術編

江戸時代の評価は若冲以上
円山応挙は京都日本画界の”ユニクロの社長”?

2019/07/27
行武 知子=日経トレンディ

 昨今人気の高い“奇想の系譜”の画家たちの絵には、度肝を抜かれたという人も多いだろう。一方、円山応挙の絵は、「ふーん、きれいな絵だな」「日本画らしいな」で終わらせてしまっていないだろうか。だが、そんな感想で江戸時代のイノベーター応挙を素通りしてしまうのはもったいない。江戸時代の評判は若冲、蕭白をしのぐ。農家の生まれながら、天明の大火後は一門を率いて御所造営の制作まで手掛けるほどに上り詰めた。

 「応挙は、いわば江戸時代における『ユニクロの社長』ではないでしょうか」と説明するのは東京藝術大学大学美術館准教授・古田亮さん。18世紀の京都は、狩野派をはじめ数多く流派が百花繚乱の状態。その中で応挙は「写生画」という新機軸を打ち出し、財力を身に付けた新興商人などからの圧倒的な人気を得て、抜きんでた。「権力者や貴族に好まれた狩野派ややまと絵に比べ、応挙の絵は、わかりやすく、なおかつ自然や動物を描いて空気感まで伝わってくるような斬新さがあった。彼らの感性にぴったりの新奇スタイルだったのです」(古田さん)。

 例えば、絶筆とされる「保津川図」。絵の前に立つと川が運んでくる風が体を吹き渡っていくような臨場感。「牡丹孔雀図」からは羽の一枚一枚、振り向く首の曲線まで生き物の体温が伝わってくるようだ。まさにリアル革命!

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連載の紹介

日経おとなのOFF presents 医師の絶対教養 美術編
レオナルド・ダ・ヴィンチの時代、医学と芸術に境界はなかった――。いつの間にか生じてしまった医学と芸術の境界を埋めるため、日経メディカル Onilneと、人生をより豊かにするオフ生活情報誌「日経おとなのOFF 」がコラボし、同誌に掲載された美術展情報をお届けします。芸術好きの先生はもちろん、「美術展になんて興味がなかった」という先生方の“絶対教養”向上に貢献します。診療の合間の息抜きや、日常からのつかの間の逃避行に、お役立てください!

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