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日経おとなのOFF presents 医師の絶対教養 美術編

【新・北斎展】20~90歳までの作品を展示「天才も努力の人だった」
立体的な肉体描写が迫る北斎の超大作に注目!

2019/02/04
田中祥子=日経おとなのOFF

 葛飾北斎といえば、70代で描いた代表作『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』から「波」をイメージする人が多いだろう。しかし、それは北斎作品のほんの一端にすぎない。90歳で亡くなるまで、常に新たな表現に挑み続けた。

 『弘法大師修法図』は、北斎最晩年における最大級の作品だ。「同時期に北斎は、この大きさの作品をもう1つ描いていますが関東大震災で焼失。『弘法大師修法図』は幸い無事でしたが、ずっと行方が分かりませんでした。1983年に西新井大師總持寺の物置で発見された、貴重な肉筆画です」(浮世絵研究家・根岸美佳さん)。

 右に描かれた木に体をくるりと絡ませ吠える犬、その前に座る弘法大師を上から見下ろす鬼。異様な迫力と躍動感に満ちている。「鬼の筋肉の表現、濃淡のつけ方は日本画にあまり見られない、西洋画のような立体感があります」。

 比較して見てほしいのが、34~35歳頃の北斎作『鍾馗(しょうき)図』。

「同じ鬼を描いても表現が硬く、らしさがまだ出ていません。画業70年にわたる北斎の作品を通覧すれば、天才も努力の人だったと気づくのです」。

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※プリントアウトはできませんのでご了承ください。 (出典:日経おとなのOFF 2月号を一部改変)

連載の紹介

日経おとなのOFF presents 医師の絶対教養 美術編
レオナルド・ダ・ヴィンチの時代、医学と芸術に境界はなかった――。いつの間にか生じてしまった医学と芸術の境界を埋めるため、日経メディカル Onilneと、人生をより豊かにするオフ生活情報誌「日経おとなのOFF 」がコラボし、同誌に掲載された美術展情報をお届けします。芸術好きの先生はもちろん、「美術展になんて興味がなかった」という先生方の“絶対教養”向上に貢献します。診療の合間の息抜きや、日常からのつかの間の逃避行に、お役立てください!

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