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日経おとなのOFF presents 医師の絶対教養 美術編

常識にとらわれないボナールの表現力を楽しむ

2018/10/20
水野 孝彦=日経おとなのOFF

 19世紀末から20世紀前半にかけて活躍したフランスの画家、ピエール・ボナール。生涯で2300点余りの作品を残した。以前から専門家の評価は高いものの、同時代のパブロ・ピカソやアンリ・マティスに比べて一般の知名度は低かった。しかし、2015年にパリのオルセー美術館で開かれた企画展で、入場者数がゴッホに次ぐ歴代2位になるなど、近年、注目を集めている。

 「ボナールといえば、裸婦で知られていますが、同時に、彼は人の目に映る構図や遠近感にとらわれない実験的な表現を好んでいました」(国立新美術館研究員・米田尚輝さん)。

 33歳のときに描いた『男と女』はその先駆け的な作品。寝室の左側の女性は、恋人のマルトで、右側の男性はボナール自身とされる。2人の結婚までには紆余曲折があり、作品の中央にあるついたては、2人の心理的な距離を表すかのようだ。

 斬新なのはその構図で、左側から左下の縁までが緑色に塗り潰され、窓ガラスの枠の部分のように見える。「あえて、窓ガラスに鏡のように映し出された男女の姿を描いたのではないか、と考えられます」。

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連載の紹介

日経おとなのOFF presents 医師の絶対教養 美術編
レオナルド・ダ・ヴィンチの時代、医学と芸術に境界はなかった――。いつの間にか生じてしまった医学と芸術の境界を埋めるため、日経メディカル Onilneと、人生をより豊かにするオフ生活情報誌「日経おとなのOFF 」がコラボし、同誌に掲載された美術展情報をお届けします。芸術好きの先生はもちろん、「美術展になんて興味がなかった」という先生方の“絶対教養”向上に貢献します。診療の合間の息抜きや、日常からのつかの間の逃避行に、お役立てください!

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