前回まで、血管合併症予防に関するエビデンスの有無に基づいた糖尿病治療薬選択を推奨している「国立国際医療研究センター病院 糖尿病標準診療マニュアル」1)に沿って、血糖コントロール目標値や糖尿病治療について吟味してきた。今回は、糖尿病の合併症を予防するための他のリスクファクター管理をレビューしてみよう。
合併症予防に必要な管理項目「ABCDE」
第1回では、血糖値を低下させるだけでは著明な合併症予防効果は見込めないことが見直された。現実には、合併症予防には第2回で紹介した「生活習慣ABCDE」や血糖値(HbA1c)だけでなく血圧(Blood pressure)やコレステロール(Cholesterol)の管理も重要である(表1、2)。
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著者プロフィール
能登洋(国立国際医療研究センター病院 糖尿病・代謝・内分泌科 医長)●のとひろし氏。東大医学部卒。同大附属病院、ベス・イスラエル医療センター(米国)、東京厚生年金病院、テキサス大サウスウェスタン医療センター(同)などを経て、2009年から現職。10年から東京医科歯科大臨床教授。

連載の紹介
糖尿病治療のエビデンス
近年、糖尿病治療に関するエビデンスが急増しているが、統計学的解釈が誤っているために正しく理解・活用されていないことが多い。エビデンスは玉石混交であり、“石”のエビデンスにだまされてしまうことすらある。この連載では、2型糖尿病治療における“真”のエビデンスを知り、それを日常臨床に役立てるためのノウハウを紹介したい。
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