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血尿? いや、それは黄疸です

2020/09/16
西野徳之(総合南東北病院消化器センター長)

 当コラムでは最近、腹部単純X線の話が多かったので、今回は検尿の話をする。

 さて、皆さんは日常診療で検尿・沈渣を取っているだろうか?

 教科書・良書には「初診時には採血だけではなく、検尿・沈渣も取りましょう」と書かれている。筆者も研修医に対して、採血に加え検尿・沈渣を必ず取るように厳しく指導している。これは救急外来だけでなく一般診察の初診時の患者に対してもである。検尿を取ることでしか得られない情報があるからだ。

 例えば、頻尿や排尿時痛を訴えない「自覚のない膀胱炎」の場合。沈渣で白血球数が50~100/HPFあり、併せて細菌が多く確認されたら急性膀胱炎を疑い、念入りに問診を行う。膀胱炎に頻回にかかっている患者は症状に慣れていて、急性期を自覚していないことがあるので要注意である。たまたま検尿で膀胱炎の可能性を指摘すると、「そういえば尿が近かった」と言われ、こうした方に抗菌薬を処方すると感謝されることも多い。

連載の紹介

西野徳之の「実践! 消化器ローテク診療」
コモンディジーズの中に危険な症例がふと紛れ込んでいる消化器領域では、腹部単純X線や便培養といった地味でも非常に重要な“ローテク診療”が力を発揮します。著者が経験した症例とともに、日常診療のルーティンを見直すヒントを紹介します。

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