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経口薬処方だけで帰すと危険な「鋳型便秘」

2019/07/16
西野徳之(総合南東北病院消化器センター長)

 便秘の病態や成因について、前回のコラムでは「乙女便秘」や「フレイル便秘」などの造語を用いながら整理した。今回は、腹部X線で便秘の程度を評価しながら、腸管の走行が追えるほど便が停滞し、腸も拡張している「鋳型便秘」(これも筆者の造語である)について理解しよう。

 前回のコラムで紹介した「『便は毎日出ている』と話した74歳女性」の腹部単純X線写真を改めて示す(写真1)。結腸から直腸まで腸管が拡張し、便が貯留している典型的な鋳型便秘の症例だ。このような場合に、「経口薬を処方するだけで帰宅させてよいのか?」というのが今回のテーマである。

写真1 腹部X線写真
便をトレースした図などの詳細は前回のコラムを参照。

連載の紹介

西野徳之の「実践! 消化器ローテク診療」
コモンディジーズの中に危険な症例がふと紛れ込んでいる消化器領域では、腹部単純X線や便培養といった地味でも非常に重要な“ローテク診療”が力を発揮します。著者が経験した症例とともに、日常診療のルーティンを見直すヒントを紹介します。

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