皆さん、こんにちは。福島県郡山市にある総合南東北病院の消化器センターで、消化器内科を担当している西野徳之です。以前、若手医師と医学生向けサイト「Cadetto.jp」で、「良医となるための道標」という連載をしていました。今も定期的に日経メディクイズの出題をしていますので、初めてではない方もいらっしゃるかもしれません。
本連載「実践! 消化器ローテク診療」では、その名の通り、消化器領域における“ローテク診療”、すなわち地味ではあっても非常に大切な検査・治療に光を当てていきたいと思います。まずはこれから数回、消化器分野におけるローテク診療の代表格である「腹部単純X線(腹部X線)」を取り上げます。
画像診断機器の進歩で、腹部X線を使う機会は減りつつあるのが現状です。多くの先生方は「腹部X線では二ボー(niveau)やフリーエアー(free air)ぐらいしか分からないだろう」と考えているのではないでしょうか。実は、腹部X線の本当の有用性というのはそこではありません。腹部X線の真の価値は、低被曝、低コストで患者の病態を可視化し、内視鏡やCTなどさらなる精査への適応を判断できるところにあるのです。では早速、腹部X線が効果を発揮する象徴的な症例を見ていきましょう。
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著者プロフィール
西野徳之(総合南東北病院消化器センター長)●にしの のりゆき氏。1987年自治医大卒。旭川医科大学第三内科、利尻島国保中央病院院長、市立根室病院内科医長などを経て2000年10月より現職。著書に『良医となるための100の道標』(日経BP)、『ココまで読める! 実践腹部単純X線診断』(中外医学社)など。

連載の紹介
西野徳之の「実践! 消化器ローテク診療」
コモンディジーズの中に危険な症例がふと紛れ込んでいる消化器領域では、腹部単純X線や便培養といった地味でも非常に重要な“ローテク診療”が力を発揮します。著者が経験した症例とともに、日常診療のルーティンを見直すヒントを紹介します。
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