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Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」

第16回
食べられない高齢者にはこう介入する
高齢者向けの“食べるスイッチ”マジック(後編)

2018/06/22
西智弘(川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター)
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 フジイキョウコさんは89歳の認知症の方。在宅で夫が介護していたが、「食事を食べなくなってしまった」という主訴で精密検査目的の入院となり、内科の医師が担当になった。しかし、いくら調べてみてもこれといった身体の異常は見つからない。ただ、確かに食事はほとんど食べられず、看護師がスプーンで口に持っていってあげると数口は食べるが、その後は食べるのをやめてしまう。仕方がないので、点滴だけで1週間程度様子を見てみたが、改善の兆しがないどころか、食事量は減っていくばかりである。医師は夫と息子さんに対して、「認知症の終末期でしょう」「このままだと余命は1カ月」という説明をし、胃瘻や高カロリー輸液の導入についても提案したが、「末期なのであれば苦しませることはしたくない」という家族の意向で、在宅に戻って看取る方針となった。主治医もDr.ニシに変更になり、訪問診療の導入を検討することになったが、Dr.ミヤモリの一声で、「もう一度食べられる可能性」を探ることに。

著者プロフィール

西智弘(川崎市立井田病院 かわさき総合ケアセンター腫瘍内科/緩和ケア内科)●にし ともひろ氏。2005年北海道大学卒。家庭医療専門医を志し、室蘭日鋼記念病院で初期研修後、緩和ケアに魅了され緩和ケア・腫瘍内科医に転向。川崎市立井田病院、栃木県立がんセンター腫瘍内科を経て、2012年から現職。

連載の紹介

Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」
多様な患者さんの姿をユニークに捉え、楽しみながら高齢者診療を行う宮森正氏の「経験から得た言葉や技術」を、それを支えるエビデンスと共に愛弟子の西智弘氏が綴ります。腫瘍内科と緩和ケアの統合を目指し、腫瘍内科・緩和ケア・在宅診療を、ケアセンター科が一括して担う川崎市立井田病院ならではの取り組みも併せて紹介していきます。

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