日経メディカルのロゴ画像

Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」

第11回
誤嚥性肺炎の絶食・抗菌薬、本当に必要?

2017/09/13
西智弘(川崎市立井田病院 かわさき総合ケアセンター)

 Dr.ニシの外来は今日も忙しい。緩和ケアの患者だけではなく、一般内科患者の診療も行っているためだ。そんな外来に、地域の介護施設から急患として一人の患者が紹介されてきた。

 サトウマサルさん85歳、男性。以前、誤嚥性肺炎で当院に入院しており、2週間前に退院したばかりだった。施設の嘱託医からの紹介状には「昨日夜半から発熱を生じ、アセトアミノフェンで経過観察をしていましたが改善せず、今朝になって痰量の増加と酸素飽和度の低下を認め、経口摂取も困難となりました。貴院にて御高診のほどよろしくお願いします」とある。

 確かに、熱は38.2℃、SpO2は室内気では89%と不良で、痰がらみも著明だ。本人は重度の認知症があり、コミュニケーションは取れないが、肩で頻回に呼吸して苦しそうにしている。

著者プロフィール

西智弘(川崎市立井田病院 かわさき総合ケアセンター腫瘍内科/緩和ケア内科)●にし ともひろ氏。2005年北海道大学卒。家庭医療専門医を志し、室蘭日鋼記念病院で初期研修後、緩和ケアに魅了され緩和ケア・腫瘍内科医に転向。川崎市立井田病院、栃木県立がんセンター腫瘍内科を経て、2012年から現職。

連載の紹介

Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」
多様な患者さんの姿をユニークに捉え、楽しみながら高齢者診療を行う宮森正氏の「経験から得た言葉や技術」を、それを支えるエビデンスと共に愛弟子の西智弘氏が綴ります。腫瘍内科と緩和ケアの統合を目指し、腫瘍内科・緩和ケア・在宅診療を、ケアセンター科が一括して担う川崎市立井田病院ならではの取り組みも併せて紹介していきます。

この記事を読んでいる人におすすめ