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第20回 日本医療情報学会春季学術大会
いよいよ動き出す医療等ID、2020年に本格運用へ
厚生労働省の高木氏が報告

2016/07/07
増田 克善=日経デジタルヘルス

 医療保険のオンライン資格確認と医療等ID制度が2020年からの本格運用に向けて、いよいよ動き出す――。政府は2016年6月2日、「日本再興戦略改訂2016」を閣議決定。医療保険のオンライン資格確認および医療等ID(保健医療分野の情報連携に用いる識別子)制度を2018年度から段階的に運用開始し、2020年からの本格運用を目指すことを明確に打ち出した。それに向け、2016年度中に具体的なシステムの仕組み・実務について検討し、2017年度から着実にシステム開発を実行する。

 厚生労働省 政策企画官の高木有生氏は、第20回日本医療情報学会春季学術大会(2016年6月2~4日)の大会企画「医療・介護における情報連携と個人情報保護」の中で、医療等IDの導入に向けた取り組み状況を報告した。

 保健医療分野におけるIDの導入は「日本再興戦略改訂2015」(2015年6月閣議決定)の中で、次の内容が盛り込まれていた。2017年7月以降早期に医療保険のオンライン資格確認システムを整備し、医療機関窓口で個人番号カード(マイナンバーカード)を健康保険証として利用することができる情報連携の共通基盤を構築すること。医療等IDの具体的な制度設計や固有の番号が付された個人情報の取り扱いルールについて検討を行い、2015年度末までに一定の結論を得て2018年度からオンライン資格確認の基盤を活用して医療等IDの段階的な運用を開始、2020年までに本格運用を目指すこと。

 閣議決定された内容は、医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会(座長:金子郁容 慶應義塾大学政策・メディア研究科教授)が2015年12月10日に取りまとめた報告書を踏まえたもので、医療保険のオンライン資格確認の具体的な仕組みや医療等IDの具体的な制度設計についても整理・検討の結果を取りまとめている。

マイナンバーカードの電子証明書を利用
 医療保険のオンライン資格確認の仕組みはこうだ。マイナンバーカードの電子証明書を医療機関・薬局で読み取り、社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険中央会(支払基金・国保中央会)が共同運営する資格確認サービス機関にネットワーク(レセプト請求の専用回線など)を通して渡し、その電子証明書に1対1で対応する機関別符合で資格情報を引き当てる処理を行う。

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