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ポストda Vinciに挑む研究所、始動
早稲田大「ヘルスケアロボティクス研究所」

2016/01/25
大下 淳一=日経デジタルヘルス

早稲田大学 次世代ロボット研究機構 機構長で、ヘルスケアロボティクス研究所 所長も務める藤江正克氏

 乳がんの触診ロボット――。1970~1980年代、早稲田大学とパナソニック(当時は松下電器産業)がこんなロボットの開発を進めていたのをご存じだろうか。製品化には至らなかったが、30年を経た今、この流れをくむがん治療支援ロボットの開発が同大学で進んでいる。乳がんや肺がんを“切らずに治す”ロボットがそれだ。米Intuitive Surgical社の手術支援ロボット「da Vinci Surgical System(通称:ダビンチ)」の次の世代を担うような、日本発ロボットの実現を目指す。

 その開発拠点となるのが「ヘルスケアロボティクス研究所」。「ヒューマン・ロボット共創研究所」「災害対応ロボティクス研究所」と並び、2015年3月に早稲田大学が立ち上げたロボット研究拠点「次世代ロボット研究機構」を構成する3つの研究所のうちの1つである。

 同機構は「人と協調するロボット」の世界最先端の研究拠点を目指した組織。機械工学や情報工学、土木工学に加えて、スポーツ科学や人間科学、人文科学といった異分野の知見を取り込んだ研究を進める狙いだ。ヘルスケアロボティクス研究所はこのうち、医療や介護を含む広い意味でのヘルスケアと、ロボットの融合領域の研究を担う。研究テーマは「手術・福祉・看護支援ロボットシステムの開発」「ロボット技術のスポーツ科学への応用」などだ。

 具体的には、次のような技術の開発を目指す。「身体への融合を脳内に誘発する(身体の一部のように知覚できる)福祉ロボット」「診断治療のための穿刺(せんし)支援ロボット」「手技評価機能を有する医学教育シミュレータ」「看護理工学へのロボット技術の応用」。

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