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保健福祉部が遠隔医療関連予算の大幅増額を発表
韓国、たばこ値上げ分を医療関連予算の原資に

2015/11/08
趙 章恩=ITジャーナリスト

 韓国の医療・保健政策を担当する保健福祉部は2015年10月21日、遠隔医療産業の育成に向けて、2016年に関連予算を大幅増額することを明らかにした。

 保健福祉部が遠隔医療の予算を大幅に増額できたのは、たばこを値上げしたおかげである。韓国政府は2015年1月1日からたばこの販売価格を、従来の1箱2500ウォン(約280円)から4500ウォン(約500円)に値上げした。たばこ販売価格の約15%は健康増進基金として積み立てられ、文字通り国民の健康増進に向けた研究や禁煙支援に使われる。たばこの値上げにより健康増進基金も増え、その増分を遠隔医療の制度化に向けた予算に使うことにした形だ。

 保健福祉部が進めている「遠隔医療制度化のための基盤構築事業」の2015年予算は3億5000万ウォン(約3900万円)。これに対し2016年は8億5300万ウォン(約9400万円)増の12億300万ウォン(約1億3300万円)とする計画だ。この予算には、遠隔医療のための調査・研究・評価、遠隔医療システムの維持管理、遠隔医療のための統合データベースの高度化と管理、遠隔医療機器の技術標準ガイドライン制定、遠隔医療の現況調査および評価、海外での遠隔医療支援、国家別実証実験による海外進出モデル開発などが含まれる。

遠隔医療の実用化阻む「医師会の壁」
 離れた場所にいる医師と患者をつないで行う遠隔医療(遠隔診療)は、韓国では過去10年以上も実証実験の段階が続いており、遠隔診療の活用に向けた医療法改定は医師会の反対で進んでいない。

 2010~2013年には、IT政策を担当する省庁が主導して慢性疾患患者のスマートヘルスケア実証実験の一部として遠隔診療を実施し、参加者の満足度は高かった。保健福祉部も、離島・山間地域を中心に遠隔診療の実証実験を2010年から実施している。保健福祉部は2013年12月、遠隔診療を許可する医療法改定案を国会に提出したが、いまだ検討中で結論は出ていない。

 保健福祉部は国会での予算審議の際、遠隔診療の必要性を次のように説明した。「医療法では遠隔診療を制限しているが、保健医療基本法では新しい保健医療制度を施行するために必要な実証実験を行っても良いことになっている。遠隔診療に反対する意見は、実証実験の結果で説得する。未来のために遠隔診療の制度化は必要だ」。

 加えて、遠隔診療は「山間部や過疎地に住んでいる人、体の不自由な人、軍部隊や刑務所といった医療脆弱地域に対する医療サービス向上につながる。町の医院を中心に慢性疾患患者や軽症患者のケアを活性化し、深刻な状態にならないよう予防する効果も見込める」とし、その重要性を訴えた。

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