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医療用ソフトウエア規制に該当したら
医療機器センター専務理事が医薬品医療機器等法を踏まえ解説

2014/12/02
大下淳一=日経デジタルヘルス

 2014年11月25日に日経デジタルヘルスが東京都内で開催したデジタルヘルスAcademy「医療用ソフトウエア規制の“該当/非該当”を考える ~『医薬品医療機器等法』の施行に当たって~」では、医療機器センター 専務理事の中野壮陛氏が登壇。「『該当』になったらすべきこと」と題し、同日施行された「医薬品医療機器等法」のいわゆる医療用ソフトウエア規制に該当するケースにおいて、どのような対応が必要になるかを解説した。

 中野氏はまず、この規制を理解するための3つのポイントとして、対象とするソフトウエアに関して、(1)医薬品医療機器等法でどのような名称が与えられるか、(2)製造や販売を担う企業にそれぞれどのような役割が与えられるか、(3)品質や有効性、安全性をどのように担保するか、を考える必要があるとした。

まずは「一般的名称」の確認から
 (1)の名称とは、ソフトウエアの「販売名」ではなく法律上与えられる「一般的名称」を指す。通常の医療機器(ハードウエア)であれば、「医用電子血圧計」「自動電子血圧計」「水銀柱式血圧計」といった名称のことで、医療機器のクラス分類のベースとなるものだ。医薬品医療機器等法ではソフトウエア向けに約150種の一般的名称が追加され、これらはすべてクラスIIに分類される。

 一般的名称の確認が重要である理由は、対象とするソフトウエアがその名称の定義や認証基準の範囲内にあるかどうかが、製造・販売に向けた承認・認証プロセスを大きく分けるからだ。具体的には、一般的名称がなかったり、当てはまると思われる一般的名称があってもその定義や認証基準を外れる場合には、PMDAの承認が必要になる。この場合、医療用ソフトウエアを開発後、その革新性が特に高い場合などでは、製品化までに4年程度の期間がかかることがあるという。

 他方、一般的名称の認証基準の範囲内に収まる場合は、民間の第三者認証機関の認証を得るだけで済む。この場合には、開発したソフトウエアを早ければ半年以内に市場に出すことが可能だ。

IEC 62304適用に3年間の経過措置
(2)については、対象とするソフトウエアの「製造業者」「製造販売業者」「販売業者」のどの立場を取るかをよく検討すべきとした。このうち、市場での全責任を負うのは「製造販売業者」。国内で製造販売承認を得るためには、製造管理および品質管理の基準(QMS省令)への対応が必須だ。

 「製造業者」に求められる製造業許可については、プログラムは設計段階で検証作業が行われ、その品質や有効性、安全性もその過程で確保できると考えられるため、ハードウエアの製造とは概念が異なる。具体的には、ソフトウエアの「設計」、およびそのソフトウエアを記録媒体に収めた場合の「保管」のみが登録の範囲となる。

 (3)については、先に述べたように、一般的名称の認証基準の範囲内に収まるかどうかで、品質や有効性、安全性の承認・認証プロセスが変わることに加えて、いわゆる「IEC 62304(JIS T 2304)」への対応が必要になると指摘した。IEC 62304は、ソフトウエアのライフサイクルプロセス(software life cycle processes)に関する規定。ただし、この規定については医薬品医療機器等法の施行後3年間(2017年11月24日まで)は適用しないという経過措置が取られる。

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