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富士フイルムがポータブルX線画像診断装置を発表
軽量、メモリー内蔵、防水機能、抗菌コート、ソフトウエアグリッドなどが特徴

2014/11/27
宮川泰明=スプール

 富士フイルムは11月25日、デジタルX線画像診断装置の新モデル「DR CALNEO Smart」シリーズを発表した。バッテリーを内蔵し、撮影室以外でのポータブル撮影を可能にしたモデル。従来モデルの「DR CALNEO C」シリーズに対して、持ち運び時の使いやすさを改良した。具体的には、筐体にマグネシウム合金を採用し、重さを14×17cmのモデルで2.6kgと軽くした。また、メモリーを内蔵し、撮影した画像を100枚まで保存可能。回診時の撮影など、コンソールから離れた場所でも運用できる。

 パネルの蛍光体はGOS(ガドリニウムオキサイドサルファ)とCsI(ヨウ化セシウム)の2種類。それぞれ14×17cm、17×17cmのモデルがある。発売は12月1日。販売は富士フイルム メディカルが担当する。価格は、電源供給ユニットまたはドッキングスタンド、フラットパネルセンサ(GOS、14×17cm)、コンソールのシステムで2190万円(税別)である。

新たに粒状成分の検出と改善に対応

 ポータブル撮影では汚れが付着する機会が多いため、IPX6準拠の防水機能を備えた。また銀イオンを利用した独自の抗菌コート「HYDRO AG」を全面に塗布した。

 撮影画像の画質を向上させる機能も充実しており、低い線量でも高画質な画像を得られると説明する。センサーの位置を従来方式から変更した、同社独自の「ISS(Irradiation Side Sampling)」方式やノイズ低減回路を採用、さらにグリッドの効果を再現したソフトウエア「Virtual Grid」を利用して画像のコントラストを向上できる。これらにより、従来の「CR(コンピューターX線撮影、Computed Radiography)」の1/4の線量で撮影しても同等の画質を維持できるとする。

 照射したX線は体内の物質と衝突し、まっすぐに進まない場合がある。この乱れたX線を散乱線と呼び、画像のコントラストや鮮鋭度を低下させてしまう。グリッドは金属製のフィルターで、撮影時に患者とセンサーパネルの間に入れると散乱線を減少させられる。Virtual Gridはグリッドの働きを再現するソフトウエアで、撮影画像の散乱成分を検出して除去できる。撮影時には何も使わなくてよいのが特徴だ。

 グリッドには厚さやフィルターの密度でいくつも種類があり、これらを持ち運んだり撮影の度に交換したりしないで済むため、作業性の向上につながる。Virtual Grid自体は2014年4月に発表済みの機能だが、新しく粒状成分の検出と改善に対応した。

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