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介護ロボット普及に向けたリスク対策とは?
リスクアセスメントに加え、保険手配の重要性を強調

2014/11/08
赤坂 麻実=日経デジタルヘルス

インターリスク総研の齋藤顕是氏

 インターリスク総研の主任コンサルタントである齋藤顕是氏は、2014年10月29~31日に開催された「次世代ヘルスケア展」(主催:日経BP、協力:日経デジタルヘルス)で、介護ロボットの普及に向けたリスク対策の要点を解説した。経済産業省は2014年4月から、650施設に3000台の介護ロボット導入を目指す「ロボット介護推進プロジェクト」を進めており、インターリスク総研もこのプロジェクトに参画している。齋藤氏は「今後、導入を進めていくには、利用者と家族の理解が必要であり、そのためには公的機関による介護ロボットの評価や、リスク管理手法の標準化が求められる」と強調した。

 介護ロボットは、普段、ロボットなどに触れる機会の少ない人が使うケースも多いため、メーカーにとって想定外の誤使用が事故につながる可能性がある。齋藤氏は「どのような誤使用が起こりうるか理解するためにも、現場が求める機能を実現するためにも、現場とメーカーの対話・議論が非常に重要」と指摘する。

 また、リスクの見つけ方の一つに、ハザード・マトリックスを提案した。縦軸に、電気、熱、位置などエネルギーの種類ごとにリスク要因を並べ、横軸に出荷、運搬、展示、使用、廃棄といった製品ライフサイクルを並べたマトリックスを作り、事故が起きるシナリオを網羅的に抽出するというものだ。網羅性を高める意味で、メーカーや施設、利用者・家族など、ステークホルダーごとにリスク要因を探す手法も有効という。

 齋藤氏は、リスクアセスメントはメーカーの開発段階だけでなく、介護の現場でも行うべきと訴える。試用、導入・運用、保管、メンテナンス、廃棄の「各プロセスで管理者やスタッフが何をするかをベースに考えることがポイント」(同氏)。また、ロボットの導入によって利用者・家族や施設スタッフなど関係者の行動、意識・感覚にどんな変化があるのかを想定・注視することも、リスクの発見につながるとした。

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