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外来でエチゾラムが最も処方されている県は?

2019/03/22
吉村 健佑(千葉大学医学部附属病院特任講師/産業医)

 当連載第2回の「外来で年間12億錠も出されている大問題のあの薬」も、第1回に続き多くの方に読んでいただいたようで、うれしいです。今回も引き続き、厚生労働省のウェブサイトで公開されている「NDBオープンデータ」を用いて、医療の実態を見ていきます。注目するのは前回に引き続きエチゾラムです。今度は、「都道府県別分析」を見ていきましょう。
 
エチゾラムの都道府県別処方状況
 まず前回記事で、外来で提供されたベンゾジアゼピン(BZ)系薬剤の処方状況を「エチゾラム」(商品名デパスなど)を例に可視化しました。エチゾラムは短時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬であり、精神科・心療内科のみならず、一般の内科、整形外科などでも頻繁に処方されています。その年間処方数は外来だけでも12億錠に上ることをお示ししました。

 NDBオープンデータは「性別・年齢階級別」と「医療機関所在地の都道府県別」の切り口で公開されています。今回はこの都道府県別データを分析して、地域によって受けている医療の内容に差があるかどうかを確認してみたいと思います。ただし、データの解釈には注意が必要で、その点は後ほど解説します。

 図1は、2016年度の都道府県別のエチゾラム(先発薬、後発薬含む)の0.5mg錠および1.0mg錠の処方錠数の総計を見える化したものです。約12億錠の処方数を、2017年1月時点での人口1)(約1億2670万人)で割ると、1人あたり9.4錠となります。つまり、全国平均では1年当たり1人9.4錠のエチゾラムが処方されているわけです。

著者プロフィール

吉村健佑(千葉大学医学部附属病院 特任講師/産業医)●よしむらけんすけ氏。2007年千葉大学医学部卒業。公衆衛生学修士、医学博士。精神科医・産業医としての臨床現場を経て、2015年より3年間、厚生労働省にて医療政策と政策研究に取り組む。2018年4月より現職。

連載の紹介

NDBオープンデータで見る日本の医療
精神科医で産業医、元・厚生労働省の医系技官が、レセプトデータを駆使して日本の医療を「丸見え」にしていきます。もはや「個人の印象」で医療を語る時代ではありません。えっ!こんなことになってんの?という驚きの医療の実態を一緒に見ていきましょう。

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