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医師の絶対教養 ナショナル ジオグラフィック編

3年がかりのパンダ撮影の舞台裏

2018/09/22
文=ALEXA KEEFE、写真=AMI VITALE/訳=高野夏美

たくさん生まれたパンダの子どもたちが撮影のために並べられている。中国四川省、碧峰峡にあるパンダ繁殖センターにて。(PHOTOGRAPH BY AMI VITALE, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

 パンダの愛らしさは否定のしようがない。だが、写真家のエイミー・ビターリ氏が大のパンダ好きになったのには別の理由がある。象徴的な存在であるパンダを、ナショナル ジオグラフィック誌のために新たな方法で撮影しようという試みは、ビターリ氏のこれまでのプロジェクトの中でも、屈指の難しさだった。

 3年を費やし、ビターリ氏は中国パンダ保護研究センターが運営する複数のパンダ基地を訪問。中でも、臥龍(ウォロン)パンダ基地と碧峰峡(ビーフォンシア)パンダ基地に足しげく通った。

 「動物園で見慣れているパンダは、とても活発で社交的な生き物ですし、漫画ではおどけ者のキャラクターとして描かれたりしますが、実際のジャイアントパンダは、人目を避ける傾向が強いです」とビターリ氏は言う。囲いを設けた広大な生息地にパンダが暮らしている臥龍では、密に生い茂った竹林の間や木のてっぺんにパンダが見えるのを、長時間待たねばならなかった。

 施設の目標は、ここで生まれたパンダを最終的に野生に帰すことだ。したがって、パンダは人間との接触から厳重に守られており、ビターリ氏がパンダに近づくハードルはさらに上がった。パンダを撮るにはどうすればよいか。ビターリ氏は、パンダの尿と糞のにおいを付けたパンダ模様の服を着込み、日の出から日没まで、シャッターチャンスが訪れるのを待つことにした。こうして変装すれば、パンダからは、人間ではなく変わった体型のパンダだと思われるはずだ。(参考記事: 【動画】パンダの野生復帰に成功、元気な姿を公開

連載の紹介

医師の絶対教養 ナショナル ジオグラフィック編
世界180カ国で愛読され続けているビジュアル誌『NATIONAL GEOGRAPHIC』。100年以上の歴史を持ち、自然、動物、歴史、地球環境、科学、宇宙などの調査・探検プロジェクトを支援してきました。そんなナショジオの日本版ウェブサイト(naionalgeographic.jp)から、「地球の今」を切り取った写真を撮影秘話とともにご紹介します。

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