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患者トラブルの背後に隠れていた「虐待」

2018/06/20
尾内 康彦(大阪府保険医協会)

 高齢社会の進行とともに確実に増加しているのが、家庭内や施設内で起きる高齢者虐待である。厚生労働省の集計によると、市町村への高齢者虐待(家族・同居人などによるもの)に関する通報件数は2016年度2万7940件(うち虐待判断件数は1万6384件)で、2013年度以降、右肩上がりで増え続けている。2006年に「高齢者虐待防止法」が施行されてから、法的な仕組みは整えられつつあるが、統計から見ると防止効果はあまり出ていないようだ。

 今回紹介するトラブルは当初、「地域包括支援センターから自院の患者に関しての問い合わせがあり、それに答えるべきかどうか」という相談だった。それなら比較的簡単に解決できそうに思えたのだが、よく話を聞いていくと、そんな単純な話ではなかった。問題の核心にあったのは「姉による妹への虐待」の疑いだった。

著者プロフィール

尾内康彦(大阪府保険医協会事務局参与)●おのうち・やすひこ氏。大阪外国語大学卒。1979年大阪府保険医協会に入局。年400件以上の医療機関トラブルの相談に乗り、「なにわのトラブルバスター」の異名を持つ。著書に『患者トラブルを解決する「技術」』(日経BP)がある。

連載の紹介

なにわのトラブルバスターの「患者トラブル解決術」
病医院を構えている限り、いつどんな患者がやって来るかわかりません。いったん患者トラブルが発生し、解決に手間取ると、対応する職員の疲弊、患者の減少という悪循環を招き、経営の土台が揺らぎかねません。筆者が相談に乗った事例を紹介しながら、患者トラブル解決の「真髄」に迫ります。
著者の最新刊『続・患者トラブルを解決する「技術」』好評販売中

 ますます高度化、複雑化する患者トラブルに、医療機関はどう対峙していけばいいのか。ご好評をいただいた前著『患者トラブルを解決する「技術」』の続編として、解決難易度の高い患者トラブルの対処法を体系的にまとめました。前著が基礎編、本書が応用編の位置づけですが、本書だけでも基本が押さえられるように構成しています。(尾内康彦著、日経BP社、2052円税込)

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