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患者の被害妄想に振り回された院長

2014/04/07

 長年、ごく普通に通院していた患者が、最近になって何かにつけて苦情を言ってくるようになった。しかし、患者の指摘に病医院側は全く心当たりがない──。

 こうした事例の中に、「実は患者が認知症だった」というケースが少なからずあることをご存じだろうか。認知症の進行と共に周囲に当たり散らす度合いがエスカレートしていくが、病医院側は、患者が認知症だとはなかなか気付かない。だから、「以前はいい患者さんだったのに、どうしてこんなになってしまったんだろうか」「何か気を悪くするようなことをしただろうか」「何か誤解があるようなので、それを解かなければ……」などと思い悩む。相談者である院長や事務長が、私から指摘を受けて初めて「認知症かもしれない」と気付く例が多い。認知症は、医師であっても見抜きにくい疾患なのかもしれない。

 私の実感としては、認知症が原因と思われる患者トラブル案件の比率は確実に高まっており、今後ますます増えていくと思われる。

 そうした患者に遭遇した時どのように対応したらよいか、下記の事例を基に、皆さんと一緒に考えてみたい。

著者プロフィール

尾内康彦(大阪府保険医協会事務局参与)●おのうち・やすひこ氏。大阪外国語大学卒。1979年大阪府保険医協会に入局。年400件以上の医療機関トラブルの相談に乗り、「なにわのトラブルバスター」の異名を持つ。著書に『患者トラブルを解決する「技術」』(日経BP)がある。

連載の紹介

なにわのトラブルバスターの「患者トラブル解決術」
病医院を構えている限り、いつどんな患者がやって来るかわかりません。いったん患者トラブルが発生し、解決に手間取ると、対応する職員の疲弊、患者の減少という悪循環を招き、経営の土台が揺らぎかねません。筆者が相談に乗った事例を紹介しながら、患者トラブル解決の「真髄」に迫ります。
著者の最新刊『続・患者トラブルを解決する「技術」』好評販売中

 ますます高度化、複雑化する患者トラブルに、医療機関はどう対峙していけばいいのか。ご好評をいただいた前著『患者トラブルを解決する「技術」』の続編として、解決難易度の高い患者トラブルの対処法を体系的にまとめました。前著が基礎編、本書が応用編の位置づけですが、本書だけでも基本が押さえられるように構成しています。(尾内康彦著、日経BP社、2052円税込)

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